樹冠内中央レール方式による茶摘採機の開発

[要約]
茶樹葉層の内側空間に管理用作業機を走行させるレールを敷設することにより、摘採・剪枝作業等における労働負担が軽減し作業精度が向上した。試作した摘採機はレール走行用スクリューエレベータに市販の可搬型摘採機を装着して使用する。
使用方法は簡単で初心者にも熟練者と同等の作業ができる。
徳島県立農業試験場・池田分場・特作科
[連絡先]0883-72-0239
[部会名]野菜・花き・茶
[専門]茶
[対象]農業機械
[分類]普及

[背景・ねらい]

近年、専門メーカーにより摘採・剪枝等の省力作業機械が次々と開発されているが、これらは平坦もしくは緩傾斜地の大規模茶園向きのものであり、急傾斜地の多い本県茶園には適合しない。特に県西部では10~25度の急傾斜地に小面積茶園が散在しているために摘採・剪枝作業等に危険が伴い既存の小規模用機械の導入さえも困難な園もみられる。これらのことから急傾斜地に適合した独自の省力機械の開発が急がれていた。
 

[成果の内容・特徴]
  1. レールはパイプハウス用鉄製直管(直径25㎜)を使用し、樹冠内中央部の高さ40~50㎝の位置に設置する。また、レールのたわみを解消するため畦に沿って1.5m毎に支柱を立てる。(図1
  2. 作業機を取り付けるスクリューエレベータは車輪部分に剣先状のデパイダー及び左右2㎝幅のセパレータを付けることで小枝の絡まりが防止でき、走行が滑らかとなる。(図2
  3. 摘採・剪枝作業等には熟練した技術を必要とするが、レールを使用することで初心者でも精度高く作業ができる。(表1
  4. レールを使用することで作業者の荷重負担が軽減できる。(表2
  5. 摘採精度が高まることで古葉や棒の混入が少なくなり品質の向上が図れる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本技術の適用は、最大傾斜20度程度までである。
  2. 茶園のまくら部分で1.5m程度の移動スペースが必要となる。
  3. 走行には直線性を要するため、曲線状に植栽された畦には対応できない。

 [その他]
 
研究課題名:労働条件の脆弱化に対応する新技術開発
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成5~7年)
研究担当者:後藤昭文 河野充憲
発表論文等:なし
 
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