キュウリの循環式ロックウール栽培の培養液管理の簡素化技術

[要約]
循環式ロックウール栽培半促成キュウリでの培養液管理は、収穫中期(摘心後2週間目まで)までは大塚A処方EC1.8mS/cmの培養液を補給する。収穫後期は、培養液 濃度の上昇に対して原水を補給してEC4.0mS/cmを越えない管理をする。この場合、摘心期までは、窒素、リン酸が多く吸収され、摘心後2週間は施用成分の殆どが、それ以降は80%程度が吸収される。
香川県農業試験場・野菜担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]野菜・花き・茶(野菜)
[専門]栽培
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

循環式ロックウール栽培における培養液管理では、作物の肥料成分の吸収に対応して培養液への成分補給を行う必要がある。しかし、個々の成分の調整は繁雑であるため、簡易な管理技術の開発が望まれる。そこで、作物の生育段階を肥料吸収特性から数段階に分け、それぞれの生育相における吸収量に適合した培養液管理を簡易に行える方法を考案した。

[成果の内容・特徴]
  1. 循環タンク内の成分の変化及び肥料の利用率からみたキュウリの生育相は、前期 ; 定植後から摘心期、中期;摘心期から約2週間、及び後期 ; その後収穫終了までの3期に分けられる。前期は窒素とリン酸が多く吸収され、大塚A処方1.8mS/cm(原水のECを含まない、以下同じ)でも循環タンク内の成分量は減少する。中期はMg以外の過不足は比較的少く、後期は各成分とも80%前後の利用率である。(表2図1、2
  2. 培養液の管理は、設定した温度の培養液を循環タンク内に追加する方法で行う。収穫後期は、培養液温度の上昇に対して循環タンク内に原水を補給してEC4.0mS/cmを越えない管理をする。
  3. 大塚A処方の1.8mS/㎝は各成分濃度が比較的安定し、収量性も高い。2.4mS/cm以上の温度では定植直後から各成分の上昇が始まり、摘心期頃から急速にECが上昇し原水の追加が煩雑になる。1.2mS/cmでは、定植後急速に成分の減少が起こり、成分の不足状態に陥ることが懸念される。(表1図1、2
[成果の活用面・留意点]
  1. 十分な給液を行い循環タンクとスラブ内の培者液の温度を平衡させる。
  2. 他の作型では、水分と肥料の吸収バランスが異なるため検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:ハイテクによる高度野菜園芸生産システムの開発
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成4~6年)
研究担当者:松崎朝浩、牛由 均、 白井英清
発表論文等:なし
 
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