イチゴの養液栽培におけるランナー利用による増収技術

[要約]
イチゴの高設式のNFTによる養液栽培において、定植後発生するランナーを着生させたまま栽培することにより、収量及び品質(Brix、1果重)の向上が図れる。
愛媛県農業試験場 栽培育種室
[連絡先]0889-93-2020
[部会名]野菜・花き・茶
[専門]栽培
[対象]果菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

愛媛県では十数戸の農家がイチゴの高設式養液栽培に取り組んでいるが、作業性の改善効果は高いものの、頂花房収穫後より成り疲れによると思われる根の褐変が見られ、生育の抑制、収量の低下等の問題が発生している。そこで、安定多収のための技術について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 定植直後より発生する細いランナーは早めに除去し、10月以降に発生する直径3㎜程度のものを1株当たり4本程度着生させる。子株からはさらにランナーが発生するが、これは全て除去する。
  2. ランナーを着生させることにより初期の生育・収量はやや抑制されるが、1月以降根量が増加し、次第に地上部の生育も良好となり、収量も増加する。ランナーを4本着生させた株では、収量、Brix、1果重とも慣行栽培株を大幅に上回る(表1表2)。
  3. 子株には花房が発生し、放任しておけば果実が収穫できるが、栽培株の収量、品質が低下するので早めに除去する(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 高設式の養液栽培では、ランナーを着生させてもベッド下に垂れ下がるため、作業の邪魔になることはない。しかし、子株からは更にランナーや花房が発生し、その除去に労力がかかる。また、子株の病害虫防除にも十分留意する必要がある。
  2. 品種‘女峰’ではランナーは盛んに発生するが、‘とよのか’ では発生が少なく、品種により適用性が異なるものと考えられる。

 [その他]
 
研究課題名:イチゴのNFT栽培における生産安定技術
予算区分  :県単
研究期間  :平成4、5年度(平成4~6年度)
研究担当者:福田 康彦
発表論文等:イチゴの養液栽培におけるランナー利用による増収技術、愛媛農試研報、33号、1995年、投稿中
 
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