昼夜別培養液管理による養液栽培トマトの尻腐れ果発生抑制

[要約]
高温時の養液栽培で問題となるトマトの尻腐れ果は、日中の培養液濃度を、夜間よりも薄くする昼夜別培養液管理で、発生が少なくなる。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
[連絡先]0899-93-2020
[部会名]野菜・花き・茶
[専門]栽培
[対象]果菜類
[分類]研究

[背景・ねらい]

トマトの養液栽培では、夏季高温時に、尻腐れ果の発生が多く問題となる。尻腐れ果は果実内のカルシュウム不足が原因で発生するが、培養液中にカルシュウムが不足するのではなく、過度の水分ストレス等によって吸収や果実への移行が妨げられて発生する。
そこで、日中の培養液温度を薄くして、根の吸水を促進し水分ストレスを緩和することによって尻腐れ果の発生を抑制する方法を検討した。
 

[成果の内容・特徴]
  1. 93年度は日中及び夜間の培養液温度(大塚A処方)をそれぞれ0.4mS/cm、2.0mS/cm、としてトマトを栽培した(変動区)。昼夜とも2.0mS/cmで管理したもの(標準区)と比較すると葉柄中のイオン温度は低下し葉色も薄くなった。(表1) しかし、葉からの溢液量が多く、日中の葉の水ポテンシャルが高くなる(表2)など、植物体内の水分不足が緩和された。
    尻腐れ果については冷夏のためか、発生は少なく標準区で7果発生したのみであった。
  2. 94年度は培養液温度を高くし、日中及び夜間の培養液温度(大塚A処方)をそれぞれ1.0から1.5mS/cm、3.5から4.0mS/cm、としてトマトを栽培した(変動区)。昼夜とも3.5mS/cmで管理したもの(標準区)と比較して生育や葉色には差が見られなかったが、日中の葉の水ポテンシャルは高くなった。
    尻腐れ果については標準区で72果発生したが、変動区では22果にとどまった。(表3
[成果の活用面・留意点]
  1. NFTなど栽培ベッド内に培養液が湛液しない養液栽培に適用できるが、日中及び夜間の培養液温度の適切な組み合わせなどについて、さらに検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:養液栽培試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成5~6年度)
研究担当者:大林弘道
発表論文等:なし
 
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