5齢期間を短縮する稚蚕期飼育法による短経過蚕品種AC69・505×小石丸(蚕)及びBC10・505×小石丸(蚕)の選定

[要約]
 
1齢から3齢までの稚蚕期明暗・恒温飼育する方法により、交雑した蚕品種の中から5齢期間が大幅に短縮する短経過蚕品種AC69・505×小石丸(蚕)およびBC10・505×小石丸(蚕)を選定した。
また、この短経過蚕品種は普通蚕品種に比ベ2割以上の飼育期間の短縮と、生糸生産効率も高いなどの形質から、多回飼育の労働軽減化に有効である。
徳島県蚕業技術センター・資源応用科
[連絡先]0883-24-2217
[部会名]蚕糸
[専門]飼育管理
[対象]蚕
[分類]研究

[背景・ねらい]

中山間地における多回飼育に対応した効率的な繭生産を行うため、蚕の飼育期間の短縮による飼育労働期間の短縮、生産費の低減化を図るため、明暗・恒温飼育法による短経過蚕品種の選定を行いその実用性について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 蚕の5齢期間を大幅に短縮させるため、稚蚕期の飼育法を明暗・恒温条件(光条件:各齢前半明、後半暗、温度条件:1~3齢30℃)とする。
  2. 上記方法で、短経過する原種として、日本種系統では、小石丸G、小石丸(蚕)、青熟Gが、中国種系統は中505号、中506号、BC10、AC69があり、いずれも繭糸維度も細く、育成用原種として適当である(図1)。
    また、中 505号との中国種系統間の組合せのなかでは、BC10との組み合わせが最も繭糸繊度が細く、短経過・細幾度用交雑原種に適合する。
  3. 短経過蚕品種については、AC69・505×小石丸(蚕)を選定した。この品種は短経過蚕形質と多収性を備え、繭糸繊度も細く、生糸量歩合はや低いが、時間当たりの生糸生産性が極めて高い(図2表1)。
    また、これに次ぐ交雑種として、BC10・505×小石丸(蚕)がAC69・505×小石丸(蚕)より短経過であり、5齢時間当たり生糸生産量も高いなど、短経過蚕品種として適合性が最も高い。
[成果の活用面・留意点]
  1. 適用地域は、温暖地山間傾斜地。

 [その他]
 
研究課題名:四国山間傾斜地におけるアメニティ養蚕新技術の開発
予算区分  :地域重要新技術
研先期間  :平成6年度(平成5~6年)
研究者名  :河野明義、佐藤泰三、井川明美
発表論文等:短経過蚕飼育技術として5齢飼育期間短縮化を図る一飼育法について、
        日本蚕糸学会関西支部合同研究発表会講演要旨集、59号、1993。
 
 
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