簡易上蔟ネットと回転蔟吊補助具の利用による条払一斉上蔟作業の省力化技術

[要約]
 
条払一斉上表において簡易上蔟ネット回転蔟吊補助具を組み合わせることにより、回転蔟吊り作業を2名から1名に削減でき、人役当たり15%省力化が図られる。
高知県蚕業試験場・養蚕科
[連絡先]08875-2-4115
[部会名]蚕糸
[専門]経営
[対象]蚕
[分類]指導

[背景・ねらい]

高齢・婦女子化してきた養蚕従事者と山間傾斜地桑園に対応した野外飼育では、農業用不織布による4齢期の1回給桑と5齢期の隔日給桑による少量・超多回飼育により一人従事で1トンの繭生産を可能としたが、条払一斉上蔟にともなう回転蔟吊り作業には2名必要とする現状である。そこで簡易上蔟ネットと回転蔟吊補助具の組合せによる一人化技術を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 回転蔟吊補助具は、図1のとおり作製した。作製に要した材料は表1のとおりである。
    簡易上蔟ネットと回転蔟吊補助具による上蔟の作業手順は、
    ① 簡易上蔟ネットを取り付けた回転蔟を回転蔟吊補助具の棚に載せる。
    ② 熟蚕振込み器で熟蚕を投入する。
    ③ 棚に載せた状態で回転族を懸垂金具で吊る。
    ④ キャスターの無い柱側に立ち手前上に引き上げるようにして回転蔟吊補助具を外し画転蔟を吊り下げた状態とする。
    ⑤ 回転蔟の回転ストッパーを掛ける、集尿器をセットする。
    これにより従事者一名での上蔟(回転蔟吊り)が可能となる。
  2. 簡易上蔟ネット区と慣行の条払一斉上蔟区(慣行区)を比べてみると、作業時間では、慣行区が短かったが人投当たりでは簡易上蔟ネット区が優っており15%の省力化が図られる(表2)。
  3. 上蔟後の落下蚕数は慣行区より少なく、這い上がり蚕数はやゝ多い(表3)。
  4. 簡易上蔟ネット使用区での繭調査及び繰糸成績は慣行区の場合と差は認められなかった(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 回転蔟吊補助具の寸法は当場の上蔟室の回転蔟吊り下げ用ワイヤーの高さに合わせて作製したもの。生産現場の状況により適宜高さを増減する必要がある。
  2. 這い上がり蚕の防止は、回転蔟懸垂金具にグリス等を塗付すれば防止できる。

 [その他]
 
研究課題名:四国山間傾斜地におけるアメニティ養蚕新技術の開発
予算区分  :国補(地域重要新技術)
研究期間  :平成6年度(平成5~6年)
研究担当者:服部静明 石原 洋
発表論文等:高知県蚕業試験場研究要報 第24号 1994
        高知県蚕業試験場研究要報 第25号 1995
 
目次へ戻る