椎蚕人工飼料育した天蚕の放飼前クヌギ慣らし飼育

[要約]
天蚕の椎蚕を人工飼料育した後、放飼することが行われている。椎蚕人工飼料での飼育期間は短いはど安定した成績が得られる。また、放飼時前にクヌギで24時間以上慣らし飼育することにより、放飼時の落下蚕が予防できる。
高知県蚕業試験場・養蚕科
[連絡先]08875-2-411565
[部会名]蚕糸
[専門]飼育管理
[対象]昆虫類
[分類]指導

[背景・ねらい]

天蚕の飼育が県内でも数カ所で実施されている。しかし、稚蚕中にアリやクモ等による食害で減蚕が多く、問題になっている。そこで、稚蚕期を市販の天蚕用人工飼料により飼育し、その後クヌギに放飼することにより蚕作の安定を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 人工飼料の飼育期間が長くなるにつれて、不脱皮蚕および放飼2日日の落下蚕が多くなり、人工飼料育中の減蚕歩合も高まる。(表1
  2. 対放飼蚕あたり健蛹歩合は減蚕歩合と逆の傾向をしめし、対結繭蚕あたり健蛹歩合には差はみられない。(表1
  3. 人工飼料による飼育期間が長くなるにつれて、繭重・繭層重ともに減少する。(表2
  4. 3齢起蚕より飼料をクヌギ技葉に切り替え、その経過時間とその脚力の変化を調べると、クヌギ上での定着率は飼料切り替え直後には約35%と低いが、24時間後になると約84%、48時間後には約94%と大きく高まった。(図1
  5. したがって、椎蚕人工飼料育した天蚕を、放飼前にクヌギで24時間以上容器内で慣らし飼育することにより、放飼直後の落下を抑制できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 天蚕の人工飼料は、飼料組成が家蚕はどにはまだ完成していないので、稚蚕期人工飼料育は、長くても1~2齢までとし、3齢には飼料樹に放飼するようにする。

 [その他]
 
研究課題名:天蚕の安定生産技術に関する研究
予算区分  :県単
研究期間  :平成1~6年
研究担当者:服部静明、石原 洋
発表論文等:天蚕の安定生産技術に関する研究、高知県蚕業試験場研究要報、22号1992
 
 
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