大豆煮汁の有効利用

[要約]
麹菌からα-L-アラビノフラノシダーゼを精製した。本酵素を用いて大豆食物繊維を部分分解することによって、従来の食物繊維より着色性の低い食物繊維が得られた。
香川県発酵食品試験場・発酵研究室
[連絡先]0879-82-0034
[部会名]食品
[専門]資源利用
[対象]
[分類]研究

[背景・ねらい]

大豆煮汁から分離した大豆食物繊維は、ペクチン様多糖類として固有の性質を有し、食品加工素材として利用が期待される。しかしながら、その構造中に着色原因物質となるアラビノースを有するため、アミノ化合物を伴った食品への利用上問題となる。そこで着色原因物質となるアラビノースを食物繊維から除去し、加工素材としての用途拡大を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 大豆食物繊維からアラビノースを除去する酵素(α-L-アラビノフラノシダーゼ)の分離精製をおこなった。麹菌を酵素源として各種クロマトグラフィーによってα-L-アラビノフラノシダーゼを電気泳動的に単一にまで精製した(図1)。
  2. 精製酵素標品を用いて大豆食物繊維を酵素処理した。経時的に反応溶液を採取し、薄層クロマトグラフィーによって酵素反応生成物を分析した。その結果、大豆食物繊維からはアラビノースのみが遊離した(図2)。
  3. 酵素処理した食物繊維をアミノ化合物(グリシン)と共にpH8.0の条件下で加熱処理(100℃,20分)した。その結果、酵素処理した大豆食物繊維は対照に比較して80%の着色度を示した(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. アラビノースを除いた食物繊維が得られることで、着色を嫌う食品への用途が拡大する。ただし、食物繊維の処理に精製酵素を用いているため、コスト面で実用化に問題がある。
    今後は、簡素を何らかの単体に固定化して再利用する方法を検討することが必要であると考えられる。

 [その他]
 
研究課題名:香川県産学官共同研究事業
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成4年~6年)
研究担当者:中山重徳、木村功、松原保仁(平成4年度)、柴崎博行
発表論文等:なし
 
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