韓国産栗甘露煮の褐変防止技術

[要約]
韓国産原料栗の注入液には鉄分が多く、栗甘露煮が褐変しやすい条件下にある。褐変は栗中のポリフェノール量及び注入液中の鉄含量、pHによって影響を受け、その防止には金属キレート剤EDTAリン酸剤)とビタミンCの併用が効果的である。
高知県工業技術センター・技術第2部
[連絡先]0888-46-1111
[部会名]食品
[専門]食品品質
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

栗甘露煮は本県の缶瓶詰製品の中で、主要な製品の一つである。現在、製造されている栗甘露煮の原料はすべて韓国から輸入されているが、甘露煮加工後、度々褐変し、関係業者にとっては早急に解決すべき問題となっている。そこで、韓国の栗産地別に栗のポリフェノール、鉄及び注入液中の鉄量を調査し、併せて実際的な褐変防止法として有効なキレート剤の選択や漂白剤、ビタミンCの効果等を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 栗甘露煮の褐変反応にはポリフェノール、鉄量が関わるが、その防止には亜硫酸、ビタミンCがある程度残存することが必要である。(表1
  2. 韓国産原料栗の注入液には鉄が多く含まれ、褐変を起こし易い条件下にある。(表2
  3. 褐変反応にはpHが大きく影響し、pH4.5以下で著しく反応が抑えられる。(図1
  4. 褐変反応に対する3種頚のキレート剤(フチン酸、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(以下、EDTAと略称)、リン酸塩)のキレート効果は、低 濃度(100ppm以下)ではEDTAが、高濃度(500ppm以上)ではリン酸塩が効果がある。 (図2
  5. 実際的な褐変防止法としては、キレート剤とビタミンCの併用がキレート剤単独使用より、効果的である。(図2
[成果の活用面・留意点]
  1. 輸入した栗原料の注入液は早期に国内の水道水を用い、キレート剤、ビタミンCを含む溶液で置換することが望ましい。

 [その他]
 
研究課題名:韓国産栗甘露煮の褐変防止技術
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成5年)
研究担当者:久武陸夫、浜口朋之、山崎裕三
発表論文等:栗甘露煮の褐変防止技術、高知県工業技術センター研究報告、NO.25、1994
 
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