バラの培養苗育成における効率的根誘導及び馴化

[要約]
バラの培養苗の育成における効率的な根誘導条件及び馴化条件を明らかにした。根誘導培地は IAA 0.3mg/l、ショ糖 20g/l、ゲルライト2.5g/lを添加した1/2MS培地が適当である。また馴化段階での活着率は鉢あげ用土にバーミキュライトを用い、鉢あげ時期を6月~8月とすることにより高めることができる。。
香川県農業試験場・資源開発部門・生物工学担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]生物工学
[専門]バイテク
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]

培養苗を用いたバラの生産を行うためには、その苗の計画的かつ安定的な供給が必要である。そこで、茎頂培養によって得られたシュートの根誘導において、好適な培地組成を明らかにし、健全な発根苗を誘導する。さらに、鉢あげ・馴化段階における適切な用土、鉢あげ時期を明らかにすることにより活着率を高め、苗の安定供給を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. バラ品種「ジェルファルレイ」をBA1mg/l 添加 MS培地で茎頂培養し、同組成培地で増植中のシュートを材料とした。それからの根誘導には、基本培地の種類および培地に添加するオーキシン組成、糖組成、培地支持剤を個々に検討しそれぞれの最適条件を組み合わせた IAA0.3mg/l、ショ糖20g/l、ゲルライト2.5g/l 添加1/2MS培地が有効であった。
  2. シュートを上記根誘導培地に置床したところ、鉢あげまでの平均所要日数は54.5日であり、80日目までに全体の80%以上を鉢あげできた。(図1
  3. 鉢あげ時期は、6月~8月の高温・高湿期が最も活着率が高かった。鉢あげ用土は、バーミキュライト単用が年間を通じて最も安定していた。(図2
[成果の活用面・留意点]
  1. 品種により最適な根誘導培地組成が若干変わることも予想される。
  2. 温度、湿度等の栽培環境を任意に設定できる施設を有しない場合には、本試験の鉢あげ・馴化条件が参考になると考えられる。

 [その他]
 
研究課題名:茎頂培養によるバラの無病化及び大量増殖法の確立
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成3年~平成4年)
研究担当者:古市崇雄、十鳥秀樹
発表論文等:バラの茎頂培養由来シュートの発根処理及び鉢あげ・順化条件について、香川県農業試験場研究報告、第45号、1994年
 
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