コムギの半数性幼胚培養におけるジベレリン処理による半数体獲得率向上法

[要約]
コムギトウモロコシ(メイズ)の花粉を受粉して半数体コムギを獲得するメイズ法による半数体育種法の効率化のために、半数性幼胚の胚培養培地上へのジベレリン水溶液滴下処理法を確立した。この方法により胚の発芽率を向上させ、半数体獲得効率を高めることが可能である。
香川県農業試験場・品種開発担当・生物工学担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]生物工学
[専門]バイテク
[対象]麦類
[分類]研究

[背景・ねらい]

コムギ半数体の作出法としてのメイズ法は、葯培養やバルボッサム法に比べて、比較的安定して半数体を得る手法として注目されている。このメイズ法のコムギ育種における実用牲を高めるためには、半数体作出から採種にいたる各ステップの効率向上が必要である。
中でも半数性幼胚の発芽率は低く、これを高めることはメイズ法の効率化を図る上で重要である。そこで、半数性幼胚の発芽率向上技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. ジベレリン滴下処理方法は、コムギ半数性幼胚を置床した6cm径プラスチックシャーレの1/2MS培地上に、0.2μmのフィルターによりろ過滅菌したジベレリン水溶液を数滴滴下し、翌日、滴下処理した胚を新しい1/2MS培地に移植する方法である。(第1図
  2. 無処理区の発芽率53.8%に対して、ジベレリン滴下区は64.3%~73.5%と発芽率が向上した。処理時期が遅れると効果がみられないカルス化胚が増加するため、カルス化胚の発生が少ない胚培養開始後15日目頃までに処理を行うのが望ましい。(第1表
  3. ジベレリン水溶液の処理温度は0.5ppmから1ppmが適当である。(第2表
[成果の活用面・留意点]
  1. メイズ法によるコムギ半数体育種に活用できる。
  2. カルス化胚が増加する前に処理する。

 [その他]
 
研究課題名:半数体の作出技術の肘発
予算区分  :地域パイテク
研究期間  :平成6年度(平成3年~7年)
研究担当者:太田尊士、多田伸司、十鳥秀樹、古市崇雄、片山哲治
発表論文等:メイズ法により得られたコムギ半数性幼胚の発射こ及ぽすGA3の効果、育種学雑誌、第44巻、別冊2号、1994
 
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