ACサーボモータ駆動のトラクタ搭載型レーザ均平装置

[要約]
 
本機は水稲堪水直播栽培における出芽苗立ちの安定化を図るための装置である。20kw程度のトラクタに搭載して、水田の半練り(うないがき潤土)同時均平に使用する。作業能率は11.1a/h田面高低差を標準偏差で10㎜程度、最大高低差で30㎜程度とすることができる。
    香川県農業試験場・農業機械担当
        [連絡先]0878-89-1121
        [部会名]作業技術
        [専門]機械
        [対象]農業機械、稲類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

水稲の堪水直播においては、均一な出芽苗立ちを確保するのには田面の均平化が不可欠である。既存の均平装置にはレーザブルドーザやトラクタ牽引型のものがあるが大型で高価なため、大区画圃場が整備されている地域以外には適さない。また、ブレード高の制御駆動力がエンジン駆動の油圧式であるため、高精度な位置制御が困難である。そこで、中型トラクタに搭載できる半練り時の利用を前提としたACサーボモータ駆動のトラクタ搭載型レーザ均平装直を開発した。

[成果の内容・特徴]
  1. 本機械はレーザ光の発光・受光部と耕転・運土部、田面高測定部、制御部、責源部からなる。耕転・運土部は代かき専用ロータリに平板状のブレードを装着したもので、ブレードの上下駆動はスクリュジャッキを介して0.1kwのAサーボモータによって行う(図1)。
  2. 田面高測定部は均平の目標高を得る部分で、田面接触板が田面に接地し、田面高を自動で測定する。田面接触板の接地圧は1.23kwで、水面には反応せず、ゴルフボール落下露出高-1㎝の田面にも-1㎜程度の沈下で測定できる(図1)。
  3. 高低差の標準偏差(以下、標準偏差)が21.4㎜のコンクリート路面における走行試験の結果、走行速度0.48m/sにおいて本機ブレード高の高低制御精度は標準偏差7.3㎜となり、油圧式制御に比べて高精度である(図2)。
  4. 本機による半練り同時均平作業は圃場に田面が水没する程度に注水した後、水位が田面高と同程度になったころ荒代かき(半練り)を行い、その後、1a当たり1箇所で田面高を自動測定、その平均値を均平の目額高として実施する(表1)。
  5. 標準偏差21.4㎜、最大高低差126㎜の40a圃場における半練り同時均平後の標準偏差は7.8㎜、最大高低差は30㎜で、荒代かき→田面測定→均平の作業能率は11.1a/hとなり、直播水稲の生育初期における浅水管理が容易になるなどの効果がある(表1)。                                                                                    

[成果の活用面・留意点]

  1. 半練り均平は均平と同時に前作残渣を高精度に鋤込むことができるので、輪作地域での堪水直播に有効である。
  2. 本機を搭載するトラクタには作業概の水平制御、耕深制御機能が装備されている必要があり、均平作業時にはこれらの機能を作用させる。
  3. 本機に適合する圃場区画は50a以下で、均平前の田面高低マップは堪水時に概略を把握する。発光器は圃場の長辺中央部圃場外に設置する。なお、一方向への傾斜が大きい圃場では運土量が多いので分割運土が必要になり、作業能率は上記より低下する。

 [その他]
 
研究課題名:水稲直播を基幹とした稲麦等輪作体系化技術
予算区分   :地域基幹農業技術体系実用化研究(国庫助成)
研究期間   :平成7年度(平成6~10年)
研究担当者:山浦浩二、久保隆廣、西村融典
発表論文等:なし
 
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