稲跡野菜作における移植精度向上のためのロータリ耕うん法

[要約]
 
稲作後に野菜を高精度に機械移植するためには、砕土わら埋没及び稲株分断性能に優れた細土爪ロータリを用いると良い。土壌表面を乾燥させ砕土性能を高めるため稲わらは圃場外へ搬出し、稲株分断のため1回目の耕うんは高速回転で行う。
   四国農業試験場・地域基盤研究部・機械化研究室
        [連絡先]0877-62-0800
        [部会名]作業技術、野菜・花き・茶(野菜)
        [専門]作業
        [対象]葉菜類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

四国地域においては、野菜の作付を水田で行う場合が多い。野菜移植機の導入を図るとき、畑土壌と性質が異なる水田土壌の砕土性は移植精度の面から検討を要する問題である。また、稲収穫後に作付を行う場合は、土壌表面に残った稲株・わらが植付けを行うときの障害となる。そこで、ロ一タリの爪と爪の取付間隔を狭めた細土爪ロータリにより、砕土、わら埋没及び稲株分断性能の向上を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 細土爪(T社製M-245A)は、切削幅が33㎜と従来のなた爪(46㎜)より狭く、1.6m 幅のロ一タリ軸に48本と通常のなた爪(34~36本)の約1.4倍の爪本数が取り付けられる。細土爪ロータリの特長としては、細断された稲わらが圃場面にある条件において、一般のなた爪ロ一タリに比べ低速回転での砕土・わら埋没性能が優れている(図1)。
  2. 一般に砕土性が良いと言われている特殊なた爪(T社製OT-235)ロータリは、砕土・稲株分断性能が細土爪ロ一タリと同程度であるが、PTO軸所要動カは正転、逆転のどちらにおいても細土爪ロ一タリよりも大きくなる(図2)。
  3. 稲株を分断するには、PTO変速は高速回転で使う方が良い。2回目の耕うんで大きな稲株はさらに分断されある程度小さくなるが、1回目を低速回転で耕うんしている場合には高速回転並みには稲株が小さくならない(図3)。
  4. 稲わらが圃場面に残っていると、土が乾きにくく砕土性が劣るので、稲わらは収穫時に結束して圃場外へ搬出する方が良い(図4)。                                                                                   

[成果の活用面・留意点]

  1. 稲わらがロータリ耕うん前に圃場面に細断散布された状態では、稲わらがない状態に比べ野菜移植機で機械移植を行うと植付ミスが増える可能性がある。
  2. コンバイン収穫で稲わらが細断散布されている場合は、ロールベーラで回収(作業幅64㎝で1.5h/10aの能率、回収率80%程度)する方法が有効である。
  3. 供試圃場は中粗粒質の灰色低地土で砕土が良好であることから、土性によっては細土爪ロータリの砕土性が異なることがある。
  4. 供試したトラクタの出力は20.6kW(28PS)である。

 [その他]
 
研究課題名:野菜作の軽作業化技術の開発
予算区分   :経常
研究期間   :平成7年度(平成5~7~10年)
研究担当者:長崎裕司、猪之奥康治、宮崎昌宏
発表論文等:平成8年度農作業学会春季大会で講演発表、1996年4月
 
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