多条畝用簡易野菜移植機

[要約]
 
四国地域のレタスの作付けは、セル成型苗の手植えによる1畝4条もしくは3条の多条畝が多い。これに対応した収穫用手押車装着式の2条同時植付けが可能で、千鳥状に往復4条植えを楽な立ち姿勢で行える手動式の簡易野菜移植機を開発した。
    四国農業試験場・地域基盤研究部・機械化研究室
        [連絡先]0877-62-0800
        [部会名]作業技術、野菜・花き・茶(野菜)
        [専門]機械
        [対象]葉菜類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

四国地域のレタスの作付けは、畝幅150~170㎝、高さ20㎝の畝に4条もしくは3条の多条植えが多い。セル成型苗の普及により定植時の苗運びは楽になったが、植付けは中腰姿勢で手植えにより行われている。そこで、畝をまたいで走行する4輪の収穫用手押車に装着でき、立ち姿勢のまま手動で2条同時に苗の植付けができる簡易野菜移植機により作業改善を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 開発機は、畝をまたいで走行できる収穫用手押車に2つの植付部を有したユニットを装着した簡易なものであり(図1)、穴あきマルチの穴に合わせ2条を同時に植付けることができる。機体質量は40㎏であり1人で畝替え、圃場外への移動ができる。
  2. 植付部は、ガイドに沿って畝に対して垂直に上下し、それにチンと1枚歯付スプロケットのかみ合いを連動させることで開孔器の開閉を行う(図2)。植付けの手順は、1)苗を供給口に入れる。2)植え付けレバーを軽く手で押し下げて植付部の開孔器を土中に入れる。3)レバーから手を離すと植付部がバネで持ち上がり、それと同時に開孔器が開き苗が植付けられる。
  3. 往復4条植えは、植付ユニット全体を横にスライドさせることにより行う。このため、1本の畝を植付けるのに移植機を旋回させる必要がない。条間と株間の設定は植付部の間隔と角度の調節によりできる(図3)。
  4. 開発機は、苗を台車に載せながら立ち姿勢で植付けが行える。また、植付けは停止して行うため植付精度が良い。作業能率は12.8h/10aであり、手植えとほぼ同じ能率で植付けられる(表1)。                                                                                    

[成果の活用面・留意点]

  1. 1回当たりの植付面積10a以下を数回に分けて定植する作型に適した移植機である。
  2. 苗の活着を促進するため、植付け後のかん水は十分に行う必要がある。
  3. 穴のないポリマルチにも植付けできるが、穴あきマルチを使用する方が植付間隔の目安にもなることから開発機には適している。

 [その他]
 
研究課題名:野菜作の軽作業化技術の開発
予算区分   :経常
研究期間   :平成7年度(平成5~7~10年)
研究担当者:長崎裕司、猪之奥康治、宮崎昌宏
発表論文等:第92回農業機械学会関西支部例会講演発表、1995年9月
 
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