水田高度利用のための振動式サブソイラによる耕種的土壌改良

[要約]
 
水田高度利用を図るために、振動式サブソイラによる心土破砕処理を行うと土壌が乾きやすくなり、砕土性もよくなり、栽培期間中の土壌pF値が安定した。ホウレンソウは生育がよくなり、ニンジンも生育が安定し、品質を高めた。
    徳島県立農業試験場 園芸化学科
        [連絡先]0886-74-1660
        [部会名]生産環境(土壌肥料)
        [専門]土壌
        [対象]
        [分類]指導

[背景・ねらい]

四国東部地域では、水稲の収穫期が早くなり、水田への秋冬野菜作付けが多くなり、野菜-水稲体系による水田の高度利用化が進んでいる。しかし、水田土壌は長年の水稲作のために、秋冬野菜栽培の生産性、品質に問題もある。
水田土壌を利用するうえで秋期の排水対策は最も重要であり、土壌の砕土性の改善を行い、耕転、畦立て、播種等の農作業が適期に行える土壌条件にする必要がある。そこで、ある程度排水できる圃場で農家自らが圃場の排水状況に応じて実施できる土壌改良法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 振動式サブソイラ(図1)を用いて処理間隔50㎝、深さ50㎝で心土破砕処理(表1)すると、土壌が乾きやすくなり、耕転によって、土壌を比較的細かく砕土できた。
  2. 3年間の野菜の生育状況を品目毎に比較すると、ホウレンソウではかなり収量が増加し、ニンジンでは天候に左右されず、安定した収量が確保でき、特に品質が向上した。キャベツでは収量差がなかった(表2)。
  3. 心土破砕処理によって.深さ17~46㎝では硬度が15~16㎜とかなり膨軟になり、透水性も改善できた(表3)。また降雨後も雨水が速やかに地下に浸透してpF値の変動が少なく、その後のpF値の上昇も緩やかであった(図2)。
  4. 野菜栽培後の水稲では心土破砕処理によって、生育量が増加した。                                                                                     

[成果の活用面・留意点]

  1. 用いた振動式サブソイラは25馬力程度のトラックの装備できるものである。
  2. 排水性の悪い圃場では本格的な暗渠排水対策を行う必要がある
  3. 心土破砕効果は土壌水分が少ない程高いので、土壌水分が少ない時期か、少なくして行う。
  4. 野菜栽培跡の水稲では早期中干し等による生育量の抑制、倒伏しない品種の選定を行う。
  5. 有機物を施用して土壌の排水性の改善、保水性の向上に努める。

 [その他]
 
研究課題名:洋ニンジンの品質向上のための効率的施肥法試験
予算区分   :受託
研究期間   :平成4~5年度
研究担当者:黒島忠司、波多間美貴子、梯美仁、松家義克
発表輪文等:第91回日本土壌肥料学会関西支部大会講演要旨葉(1995.11)
 
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