ダイコンわっか症の発生実態と防除

[要約]
 
ダイコンわっか症はほとんどの品種で発生し、栽培の方法や時期を問わず発生する。発生は根部表面、特に地上部にほぼ限られ、根部異常症の一つと考えられる。ジチアノン・銅水和剤等の生育初期における散布は発生抑制効果が高い。
    徳島県立農業試験場 病虫科
        [連絡先]0886-74-1660
        [部会名]生産環境(病害虫)
        [専門]作物病害
        [対象]根菜類
        [分類]研究

[背景・ねらい]

1990年頃から多くのダイコン栽培地帯で、根部にリング状の黒色斑紋(わっか症)が突発的に発生した。過去に記載はないが、その発生様相から生理障害あるいは病原菌に起因する病害かと推察された。そこで発生原因究明のため、発生実態を調査するとともに薬剤の施用効果を検討して、防除対策の確立を図った。

[成果の内容・特徴]
  1. ほとんどのダイコン品種で発生するが、発生程度には品種間差が認められる(表1)。
  2. 発生部位は根部に限られ、地上部表面がほとんどである(図1)。
  3. 場所、作型、土性、マルチングあるいは土壌消毒等栽培方法に関係なく、播種後50日頃から発生する(表1)。
  4. 薬剤の施用効果が認められ、ジチアノン・銅およびマンゼブ水和剤の散布効果が発生を著しく抑制する。
  5. ジチアノン・銅水和剤の処理時期は、ダイコンの生育初期の播種後10日~1ヵ月以内に2回程度散布すると効果は安定している(表2)。
  6. 薬剤処理量は生育初期でも10a当たり200~300リットルが必要である。                                                                                    

[成果の活用面・留意点]

  1. 同一種子でも播種時期や栽培年次が変わると発生程度も大きく異なる。
  2. わっか症の発生は生育後期であるが、薬剤による防除適期は生育初期である。
  3. 生育初期における薬剤は、茎葉だけでなく地際部まで十分濡れなければ効果は低い。しかし連用すると葉の硬化等薬害発生の懸念があるので間隔をあけて2~3回までとする。
  4. 薬剤散布を実施してもある時期が過ぎると、発生する場合があるので、収穫は適期か若どりを心がける。

 [その他]
 
研究課題名:ダイコン生育障害(わっか症)対策試験
予算区分   :県単
研究期間   :平成4~6年
研究担当者:金磯泰雄、後藤昭文、大植美香、貞野光広
発表論文等:①ダイコン根部わっか症の発生実態、四国植防、30、1995
        ②ダイコンわっか症に対する薬剤の防除効果、 徳島農試研報、32、1996(掲載予定
 
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