非病原性フザリウム菌によるイチゴ萎黄病の効果的な防除法

[要約]
 
非病原性フザリウム菌によるイチゴ萎黄病の防除に際し、本菌胞子懸濁液に24時間浸根接種し、後処理として72時間水中に保持し定植を遅らせることでその効果が高まる。この処理により接種直後に比べてイチゴ導管内におけるリグニン生成が増加する。
    愛媛県農業試験場 生産環境室
        [連絡先]089-993-2020
        [部会名]生産環境(病害虫)
        [専門]作物病害
        [対象]果菜類
        [分類]研究

[背景・ねらい]

非病原性フザリウム菌の利用によるイチゴ萎黄病の防除は本病の感染期間が長いことから、同じフザリウム病害であるサツマイモつる割病ほど効果は高くないと言われている。
そこで、非病原性フザリウム菌の浸根接種の防除効果を高める手法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 非病原性フザリウム菌、C-8菌(静岡農試分譲株)またはNy-2菌(愛媛農試分離株)を接種し、後処理としてさらに72時間水中に浸根することにより防除効果が高まる(図1)。なお、接種をせず24時間+72時間水中に浸根した場合には発病株率が減少することはない。
  2. 非病原性フザリウム菌の浸根接種直後に比べ、さらに72時間水中に浸根したものでイチゴ導管内のリグニン生成が増加する(表1)。
  3. 非病原性フザリウム菌の浸根接種後、さらに水中に浸根するとイチゴの各器官に接種菌の定着とみられる菌体が確認される(表2)。根からは95.0~100%の割合で検出されたことから、侵入した非病原性フザリウム菌がリグニン生成を誘導したとみられる。 

[成果の活用面・留意点]

  1. 有傷条件(根端の人為切断)で非病原性フザリウム菌を処理した場合の防除効果については今後さらに検討する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:非病原性フザリウム菌によるイチゴ萎黄病の防除試験
予算区分  :国補
研究期間  :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:奈尾雅浩、畑中満政
発表論文等:なし
 
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