水稲のウンカ・ヨコバイ類に対する捕食性メクラカメムシ2種の選好性

[要約]
 
水稲害虫ウンカ・ヨコバイ類に対し捕食性カタグロミドリメクラガメは、同様の特性をもつムナグロキイロメクラガメと比較し、増殖性がすぐれ、トビイロウンカなどイネのウンカ類に対する選好性も良好であるが、ヨコバイ類に対してはやや劣る。
     四国農業試験場・生産環境部・虫害研究室
        [連絡先]0877-63-0800
        [部会名]生産環境(病虫害)
        [専門]作物虫害
        [対象]水稲
        [分類]研究

[背景・ねらい]

ウンカ・ヨコバイ類は水稲の害虫として重要であるが、なかでもトビイロウンカは稲作後期に坪枯れを引き起こす最重要害虫であり、その防除に殺虫剤の使用が不可欠となっている。この害虫の天敵として多くが判明している。捕食性カメムシであるカタグロミドリメクラガメ(Cyrtorhinus lividipennis)は利用すべき有力な研究素材であり、近縁のムナグロキイロメクラガメ(Tytthus chinensis)も同様の特性をもつ天敵である。
殺虫剤低減のためにこの天敵の利用技術の開発研究にあたって、対象種を特定するデータが必要であった。

[成果の内容・特徴]

    カタグロミドリメクラガメとムナグロキイロメクラガメを比較すると以下のことがいえる。

  1. 両種とも水稲のウンカ・ヨコバイ類の卵を補食するが、後者のほうがいずれの種に対しても1雌1日当たりの捕食数は多く、その差はヨコバイ卵に対して大きい(表1)。
  2. トビイロウンカと同時に放虫するとウンカ個体数に対する制御能力は前者がまさり、また自個体群の増殖能力も大きい(表2)。
  3. ツマグロヨコバイと同時に放虫するとヨコバイ個体数に対する制御能力は後者のほうがまさるが、自個体群の増殖能力は比較的低い(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 両種の特性差は水稲のウンカ・ヨコバイ類の天敵の利用技術の開発研究の参考になる。

[その他]
 
研究課題名:捕食性カメムシによるイネ半翅目害虫の防除技術
予算区分  :一般別枠(安全性向上)
研究期間  :平成7度(平成3~7年)
研究担当者:岡田忠虎、小林秀治
発表論文等:なし
 
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