水稲品種「こいごころ」の施肥法

[要約]
 
水稲品種こいごころは日本晴に比較して稈長が伸びやすく倒伏に弱い。こいごころは稈長85㎝以上で倒伏が発生し、倒伏により収量・外観品質ともに低下する。
倒伏防止には、施肥量の減少が有効で、しかも減肥による収量の低下が少なく、外観品質も優れることから、合計窒素施用量は日本晴に比べ20%程度減ずると良い。
     愛媛県農業試験場・栽培開発室
        [連絡先]089-993-2020
        [部会名]水田・畑作
        [専門]栽培
        [対象]稲類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

平成7年に本県の奨励品粗に採用したこいごころは、熟期は日本晴と同程度の早生でコシヒカリ並の良食味品糧として注目されている。そこで、この品種に適した栽培技術を早急に確立する必要があり、施肥量を日本晴と対比させて検討し、こいごころの収量・品質の安定化を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. こいごころの耐倒伏性は日本晴よりも弱く、全施肥量が窒素成分で10㎏/10a以上になると、倒伏程度が3以上となる(図1)。
  2. 倒伏程度は稈長の影響が大きく、稈長が85㎝以下では倒伏程度は1下であるが、87㎝以上に伸びると倒伏程度が3以上となる(図2)。
  3. こいごころの収量は、日本晴に比較して少肥条件(窒素施用量6㎏/10a以下)でも安定して高く、多肥条件(窒素施用量12㎏/10a以上)では倒到伏により低下する(図3)。
  4. 玄来の外観品質(完全粒比率)は日本晴よりもやや劣り、多肥条件では倒伏程度が大きくなるために、その差が増大する(図4)。
  5. 以上より、こいごころは日本晴よりも倒伏に弱いが、減肥でも収量の低下が少なく、玄米の外観品質が優れる。こいごころの合計窒素施用量は、日本晴より20%程度減ずることにより、収量・外観品質の安定化を図ることができる。 

[成果の活用面・留意点]

  1. 施肥量は、圃場の肥沃度によって調節が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:大型圃場における超多収実証
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成7年~8年)
研究担当者:住吉俊治、鳥生誠二
発表論文等:なし
 
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