浅耕栽培における裸表の播種量

[要約]
 
裸麦浅耕栽培は、基肥と種子を全面に散布後、ロータリで深さ約2㎝に耕起して播種作業を行う方法である。播種量は1.2~1.5㎏/aが適しており、それより少ないと倒伏程度が大きく、反対に多いとやや減収する。シーディングロータリ栽培あるいは全面全層播栽培と同等かそれ以上の収量が得られる。
    愛媛県農業試験場・栽培開発室
        [連絡先]089-993-2020
        [部会名]水田・畑作
        [専門]栽培
        [対象]麦類
        [分類]研究

[背景・ねらい]

本県の裸麦栽培は全面全層播で広く行われているが、さらに省力的な栽培技術が望まれている。低コストの点で不耕起栽培が注目されるが、出芽が不安定であるため、水稲跡水田で基肥と種子を全面に散布後、ロータリで浅く(深さ約2㎝)耕起して播種作業を行う浅耕栽培技術の開発を行っている。ここでは、全面全層播栽培及びシーディングロータリ栽培と対比させて浅耕栽培の播種量について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 出芽数は播種量と平行して増加し、200本/㎡を得るには1.2㎏/a以上の播種量が必要である。浅耕栽培の出芽数は、全面全層播栽培に比較して、0.6~0.9㎏/aの播種量では多く、逆に1.2㎏/a以上では少ない(図1)。また、出芽率はいずれの播種量でも約60%である。
  2. 出穂期は、播種量が0.9㎏/a以下では1.2㎏/a以上よりも1~2日遅れる。浅耕栽培の子実重は、播種量0.9㎏>1.2㎏>1.5㎏>0.6㎏>1.8㎏>であり、全面全層播栽培対比では110~98%で、同等かそれ以上である(図2)。
  3. 倒伏程度は、いずれの播種量でも浅耕栽培が全面全層播栽培よりもやや大きく、特に0.9㎏/a以下の播種量で大きい(図3)。
  4. 浅耕栽培はシーディングロータリ栽培と比較して倒伏がやや多いが、出穂期や稈長等には大差がなく、収量はやや多い(表1)。
  5. 以上より、浅耕栽培は全面全層播栽培やシーディングロータリ栽培と同等かそれ以上の収量であり、倒伏程度を考慮すると実用的な播種量は1.2~1.5㎏/aである。                                                                          

[成果の活用面・留意点]

  1. 裸麦の浅耕栽培技術体系の確立を図る。

 [その他]
 
研究課題名:水稲・麦の超低コスト化技術の開発
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成6年~8年)
研究担当者:鳥生誠二、久保井健
発表論文等:裸麦の浅耕栽培技術、日本作物学会紀事64巻(別2)1995年
 
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