ロータリーキルンによる家畜ふんの堆肥化促進

[要約]
 
ブロイラー及び乳牛ふんの堆肥化を促進するためにロータリーキルンを用いると、通気堆積発酵の場合と比較して、早期堆肥化が可能である。しかし、ロータリーキルンの効果的な稼働方法については検討の余地がある。
     徳島県畜産試験場・卵鶏科
        [連絡先]0886-94-2023
        [部会名]畜産
        [専門]環境保全
        [対象]家畜類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

家畜ふんを効率よく発酵処理し堆肥化するために、密閉型発酵装置(ロータリーキルン、以下、キルン)が利用されているが、その腐熟促進効果についての研究蓄積は十分でない。そこで、各種家畜・家禽ふんを供試し、畜種別の効果を明確にする。

[成果の内容・特徴]
  1. ブロイラーふんの堆肥化ではキルン内温度は61℃にまで上昇するが、水分蒸散による過乾燥のため発酵が停滞し、ほぼ6日で外気温にまで低下する(図1)。乾物残存率(開始時を100とした場合の乾物の分解度)はキルン1週間処理で69%となり、通気堆積処理に比較して2週間の堆肥化短縮が可能になる(図2)。
  2. 乳牛ふんの堆肥化では温度が53℃にしか上昇せず、キルン処理間始4日目で外気温にまで低下する(図3)。乾物残存率ではキルン1週間処理で85%と通気堆積処理の79%に比較して高く、キルン処理の有効性は認められない(図4)。
  3. 乳牛ふんにブロイラーふんをエネルギー源として混合利用すると、キルン内の温度は66℃にまで上昇するが、処理4日目には外気温にまで下降する(図5)。乾物残存率ではキルン1週間処理の82%に対して通気堆積処理は91%と高く、ブロイラーふんと同様に約1週間の発酵促進効果が得られる(図6)。                                                                             

[成果の活用面・留意点]

  1. ロータリーキルン処理ではエネルギー含量の高い家畜ふんを選ぶ必要がある。急激な発酵のため水分の蒸発が激しく、処理中に過乾燥で発酵が止まる傾向が認められる。そのために、さらに効率よく堆肥化処理をするためには加水が必要となる。気温の低下する冬期のキルンの基本的な稼働方法については未検討である。

 [その他]
 
研究謀題名:家畜ふんの物理的・生物的方法による公害防止と効果的利用技術
予算区分  :国補(地域重要)
研究期間  :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:武内徹郎、篠原啓子、中西隆男、大谷長治
発表論文等:なし
 
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