間欠送風と木材腐朽菌を利用した早期堆肥化技術

[要約]
 
木材腐朽菌のうちオガクズ混合牛糞堆肥に定着するのはカワラタケである。菌の定着した堆肥を重量比で20%程度混合のうえ、5日間の送風と14日間の送風停止を繰返して堆積すると、約90日で硝酸態窒素割合が高まり早期堆肥化が可能となる。。
     香川県畜産試験場・経営担当
        [連絡先]0878-98-1511
        [部会名]畜産
        [専門]環境保全
        [対象]家畜類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

腐熟度の高い良質な堆肥を生産するためには、長期間の堆積が必要であるが、特に敷料として多く利用されているオガクズには多量のリグニンが含まれており、早期堆肥化を妨げる原因となっている。一方、床面からの強制送風方式を取り入れた堆肥舎が普及しつつあるが、間欠送風の効果的な実施方法は確立されていない。
そこで、リグニン分解能力のある木材腐朽菌のオガクズ混合牛糞堆肥への定着確認とそれを戻し堆肥とした場合の間欠送風方法等について検討し、早期堆肥化技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 白色腐朽菌4種と褐色腐朽菌2種のうち、完熟堆肥表面に散布して10ヶ月後に定着が確認されたのは、カワラタケである(表1)。
  2. オガクズ混合牛糞(重量比混合割合牛糞1:オガクズ2)にカワラタケが定着した完熟堆肥を重量比で20%程度混合して水分調整(65%程度)し、間欠送風により好気性発酵と嫌気性発酵を組み合わせると、有機物の分解を効果的に促進できる(図1)。
  3. 堆肥の温度変化は、間欠送風による送風開始から2日後に72.9℃にまで上昇し、その後下降して5日目に最も低下する。送風停止24時間後にはわずかに上昇するが、その後は下降の一途をたどり、2回目の送風を開始すると、24時間後に再び発酵温度の急上昇が認められ、5日目に最も低くなり、送風停止後にはわかに温度上昇が認められる。間欠送風方式の場合、温度変化を伴う発酵現象は約60日で終了する(図2)。
  4. 堆肥混合物の均一性に問題は残るが、堆肥中の窒素化合物のうちアンモニア態窒素と亜硝酸態窒素は90日後に減少して、硝酸態窒素量が増加しており、間欠送風による順調な発酵が進んだことを確認できる(図3)。                                                                            

[成果の活用面・留意点]

  1. 間欠送風を効率的に利用することで早期堆肥化技術を確立し、良質堆肥生産技術指導の一助とする。
  2. これまでの成果では、牛糞堆肥乾物中のリグニン含量の把握ができていないため、木材腐朽菌のリグニン分解能力は不明であり、今後に検討を要する。

 [その他]
 
研究謀題名:家畜ふん尿の物理的・生物的方法による公害防止と効果的利用技術
予算区分   :国補(地域重要)
研究期間   :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:斉藤武司、白井英治、竹内康裕、川原徳彦
発表論文等:香川県畜産試験場研究報告,32号,1996。(掲載予定)
 
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