鶏舎内堆積鶏ふんから発生するアンモニア濃度の低減とハエの発生防除

[要約]
 
鶏舎内の堆積鶏ふんアンモニア濃度の低減には、市販の経口投与資材が10~60%の低減効果を示す。昆虫発育抑制剤(IGR剤:キチン形成阻害剤幼若ホルモン様物質)のいずれも、イエバエヒメイエバエに対して2ヵ月以上の羽化抑制効果を示す。
     愛媛県養鶏試験場・試験研究班
        [連絡先]0898-66-5004
        [部会名]畜産
        [専門]環境保全
        [対象]家禽類
        [分類]指導

[背景・ねらい]

愛媛県の採卵養鶏農家は、混住化や都市化の進展及び悪臭防止法等の規制の強化により、悪臭防止対策や衛生害虫の発生防除対策に苦慮している。そこで、鶏舎内堆積鶏ふんから発生するアンモニアに対する経口投与資材の抑制効果、及び衛生害虫に対する昆虫発育抑制剤(IGR剤)の効果の持続性を究明する。

[成果の内容・特徴]
  1. 市販の微生物資材(飼料に微生物を添加発酵したぼかし資材:飼料に1%添加、及び特殊放線菌:0.2%添加)、土壌資材(0.3%添加)、木酢資材(木酢液をゼオライト等に吸着させたもの:0.5%添加)は、いずれも程度の差はあるものの、鶏舎内堆積鶏ふんから発生するアンモニア濃度を低減させる(図1)。なお、これら資材の添加は、産卵率及び飼料摂取量に影響を及ぼさない。
  2. 鶏ふんから発生するアンモニア濃度は、水分と相間が高く(r=0.78、図2)、資材のアンモニア濃度の低減効果も気象条件に大きく左右される(例:図1-66日目、降雨直後)。
  3. キチン形成阻害剤(トリフルムロン<T剤>4g,2g/㎡ジフルベンズロン<D剤>8g,4g/㎡)、幼若ホルモン様物質(ピリプロキシフェン<P剤>20g,10g/㎡)を水(2リットル/㎡)に溶いて鶏舎内堆積鶏ふkんに散布すると、いずれもハエの正常な羽化を2ヵ月以上抑制する(図3)。また、散布量は多くする必要はなく(図3)、むらなく散布することが効果を長続きさせる。
  4. イエバエでは散布後7日で羽化抑制効果が見られるが、ヒメイエバエでは効果が現れ難い(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 供試した経口投与資材の効果的な利用には、無駄水をなくし、鶏ふんの水分を低下させるなど飼養管理面での注意が必要である。
  2. IGR剤の効果は、2カ月以上持続するので、鶏ふんの搬出サイクルを2カ月程度とし、搬出7日後までに散布する。

 [その他]
 
研究課題名:家畜ふん尿の物理的・生物的方法による公害防止と効果的利用技術
予算区分  :国補(地域重要新技術)
研究期間  :平成7度(平成5~7年)
研究担当者:坂本恭一、中本省三、高橋靖生
発表論文等:1)鶏ふんの消臭化とハエの発生防除技術、愛媛県畜産関係業繊発表集録,114~118,1995
        2)鶏ふん消臭化処理技術開発試験,愛媛鶏試研報,23号,36~41,1996。
 
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