担子菌を活用したオガクズ混入豚ふんのリグニン分解

[要約]
 
山野から採取したリグニン分解能を持つ担子菌を液体培地培養し、オガクズ混合豚ふんに添加することにより、堆肥中のリグニンを最高で18%減少させることができた。
     高知県畜産試験場・環境養豚科
        [連絡先]0889-22-0044
        [部会名]畜産
        [専門]環境保全
        [対象]家畜類
        [分類]研究

[背景・ねらい]

オガクズは、吸水、吸臭効果が高いため畜舎の敷き料として広く利用されている。しかし、オガクズ中にはリグニンが約30%含まれていて、その分解は大変遅く、完熟しない堆肥を作物に施用した際の生育障害が指摘され、問題となっている。そこで、リグニン分解能の高い担子菌を利用してオガクズ混入堆肥の早期完熟化の方法を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 山野等から採取した53点の担子菌のうち、担子菌の菌糸がシャーレ(直径8.5㎝)中心部から辺縁まで伸長する日数は、最も速いもので3日、最も遅いもので19日であった(表1)。この中から伸長速度の速い菌株を4点選択し、1から4の番号(NO)を付け 図で試験に供試した。試験期間中の堆肥の温度変化にば菌株による大きな差が認められなかった(図1)。
  2. リグニンの分解率は、コントロール区の5.8%に対して、最も分解率の高かった菌はNO2の18%であったが、NO4では変化がなかった(表2)。なお、発酵期間中の含水率の変化についてみると、NO3以外の区では減少率がコントロール区を上回っており、担子菌添加による堆肥の早期完熟化が示唆された(表3)。                                                                           
[成果の活用面・留意点]
  1. 豚ふん堆肥中でリグニン分解能の高い担子菌を検出でき、これを活用した堆肥の早期完熟化の可能性が示唆された。今後、野外で活用するためには、1)四季を通して効果があるか(担子菌の至適温度は、20℃前後で外気温の下がる冬季の温度対策が必要)、2)担子菌を添加した堆肥を戻し堆肥として活用できるか、を検討する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:家畜ふん尿の物理的・生物的方法による公害防止と効果的利用技術
予算区分  :国補(地域重要)
研究期間  :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:長尾興亜、筒井彰夫、積山文親、日高祥介
発表論文等:なし
 
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