市販微生物資材等利用による家畜ふん尿処理

[要約]
市販微生物資材を家畜ふん(牛ふんオガクズ混合糞)へ添加、あるいは汚水処理におけるろ材として利用することにより、堆肥化時の臭気アンモニア)の発生を20~40%軽減できた。汚水処理では途視度が上がり、浮遊物質が減少し、BOD等が改善された。
     高知県畜産試験場・環境養豚科
       [連絡先]0889-22-0044
       [部会名]畜産
       [専門]環境保全
       [対象]家畜類
       [分類]研究

[背景・ねらい]

最近、地域住民の環境問題に対する意識の高まり等により、畜産をとりまく環境はますます厳しくなっている。そこで、管理が容易で省力的な家畜ふん尿処理技術を新たに確立するため、堆肥化及び汚水処理過程における市販微生物資材等による臭気の抑制や水質改善に及ぼす効果について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 場内で生産される家畜ふんに各市販微生物資材(A~F)を1%添加、発酵処理した結果、NH発生量の累積値ではA 、B 剤区以外は対照区を下回った(対照区を100%とした場合C:75%、D:57%、E:68%、F:78%)。品温については、C剤区以外は試験終了時の温度が開始時を上回ったのに対し、C剤区では開始時を下回り、他区より早い発酵終息傾向を示した。また、資材添加ごとの理化学的成分(T-N、T-C、C/N、P、K、Cl)に対する影響について、資材間に有意差は認められなかった(表1)。
  2. 場内設置の活性汚泥処理施設による流入汚水に対する除去率は、SS 80.0%、BOD 85.8%、COD 69.5%、T-N 28.3%、P14.4%であった。この二次処理水を供試ろ剤1~6(直径20㎝高さ100㎝のエンビパイプに充填)を接触・通過させることによる浄化結果は、ろ材2における透視度が50㎝以上、除去率はSS 83.3%、BOD 73.4%、COD 77.9%、T-N 27.7%、P 27.2%であり、処理水を100%とした場合の色度は12%になった(表2)。また、ろ材3~6における除去率はSS以外低値にとどまったが、色度については、ろ材5では処理水に比べ71%の軽減が図られた(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. NH発生の抑制を示唆する資材もあったが、今後分析機器による測定と併せて臭気官能試験等による実際上の確認が必要である。また、ろ材試験では流入汚水の性状にバラツキが見られたため今後追加試験の必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:家畜ふん尿の物理的・生物的方法による公害防止と効果的利用技術
予算区分   :国補(地域重要)
研究期間   :平成7年度(平成5~7年)
研究担当者:長尾興亜、筒井彰夫、積山文親、日高祥介
発表論文等:なし
 
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