尿素の葉面散布による富有柿果実の肥大促進

[要約]
5月中旬(新葉の緑化完了後)から、尿素0.2%を防除暦に準じて農薬との混用散布(スピードスプレーヤーによる)することによって顕著な薬害の発生もなく、果実の肥大促進が図られる。
   香川県農業試験場府中分場 栽培担当
    [連絡先]0877-48-0731
    [部会名]果樹
    [専門]栽培
    [対象]果樹類
    [分類]指導

[背景・ねらい]

かきは、品質評価において食味とともに外観が重要視されている果物で、そのため大玉果率や着色の向上等が産地での課題となっている。本県ではこれらの課題解決を図るため、「袋掛け完熟柿」を推進し、個性化商品として生産量の拡大に努めているが、近年の高齢化と労力不足の進展に伴い、省力的な高品質生産技術の必要性が高くなっている。
そこで、簡単に大玉果生産を図る方法として、尿素の葉面散布について散布時期や防除暦に準じた農薬混用等の検討を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 新葉の緑化前にあたる展葉2過間後(4月25日)の尿素の葉面散布は、0.01~0.5%の濃度では、いずれの濃度においても薬害類似症状の発生が多く見られ、発生程度も大きく、その後の生育に影響を及ぼす(表1)。
  2. 新葉の緑化完了後の葉面散布では、0.5%の高い濃度でも葉尖部が枯れる等の薬害類似症状の発生率は緑化前に比べて低下し、散布後の生育への影響も認められない。また、農薬との混用散布においても単用散布同様、生育に支障はない(表1表2-1)。
  3. 尿素の0.2%液を散布すると葉色が濃くなり、秀品果率や2L以上の果実割合が二倍 近く多くなり、果皮色や日持ち性等の果実品質が著しく向上する(表2-2)。
  4. 以上の結果から、新葉の緑化完了後から尿素の葉面散布を行うことにより、大玉化と秀品率が向上する。また、防除暦に準じた農薬との混用散布においても薬害等の発生が増加することがない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 今回検討した薬剤以外との混用による薬害発生等の調査は行っていない。
  2. 連年処理による樹体への影響等を検討する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:落葉果樹高品質果実生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:平成6~7年度(平成4~12年)
研究担当者:片桐孝樹
発表論文等:平成7年度 落葉果樹試験研究成績概要集
 
目次へ戻る