不知火のハウス栽培による品質向上効果

[要約]
不知火をハウスで屋根掛け栽培すると、露地に比べ樹勢が優れ、大果が多く、果実品質が向上する。
   愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
    [連絡先]089-977-2100
    [部会名]果樹
    [専門]栽培
    [対象]果樹類
    [分類]普及

[背景・ねらい]

不知火は温度要求が比較的高い品種と思われ、屋根掛けハウス栽培(天井ビ二ール被覆期間、3月上旬~6月下旬及び11月上旬~1月下旬)が樹勢、果実肥大、果実品質に及ぼす影響を明らかにし、大果で高品質な果実の生産技術の確立を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 露地では5㎝以下の短い新梢が多いが、風根掛けハウス栽培すると10㎝前後の新梢が多く、葉の大きさは露地の約1.5倍になり、樹勢が優れる(図1)。
  2. 1樹当たりの収量は屋根掛けハウスで多く、露地は隔年結果性がみられるが、屋根掛けハウスは比較的安定している(図2)。収穫果の大果率は屋根掛けハウスで高く、果梗部の突出果率も高くなる(表1)。
  3. 屋根掛けハウスの果実糖度は露地に比べ約1度高くなるが、クエン酸は明らかな差がみられず(図3)、果実の成熟期は露地と同時期である。
  4. 貯蔵中の果皮障害の発生は屋根掛けハウスで少なく、正品率が露地に比べ優れる(表1)。
  5. 以上の結果、不知火を屋根掛けハウス栽培すると、露地に比べ樹勢が優れ、比較的安定して結実し、大果が多く、正品率が向上する。
[成果の活用面・留意点]
  1. 開花期が露地に比べやや早くなるものの、果実の成熟は露地と同時期であり、販売時期は露地とほぼ同様と考えておく必要がある。さらに、多額の設備投資は避け、10a当り100万円以下の簡易ハウスでの栽培を行う必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:熟期調節新作型による労働分散技術の開発
予算区分   :地域基幹農業技術
研究期間   :平成7年度(平成6年~10年)
研究担当者:加美豊、井上久雄、中川雅之、藤原文孝
発表論文等:なし
 
目次へ戻る