ハウスミカン密植園の反射マルチによる樹体温度低下と着色促進効果

[要約]
夏季の高温期にしばしばハウスミカンの着色が遅延する極早生ハウス栽培密植園に対して、アルミ蒸着反射フィルムを成熟期に樹冠下マルチすると、果実や樹体の表面温度を低下させ、着色促進効果がある。
   愛媛県立果樹試験場 南予分場
    [連絡先]0895-52-1004
    [部会名]果樹
    [専門]栽培
    [対象]果樹
    [分類]普及

[背景・ねらい]

12月加温の極早生温州や早生温州のハウスミカンは、平均気温が25度以上に達する6月中旬以降、果肉は先熟しているにもかかわらず着色が著しく遅延するために、採収が遅れしかも浮皮が多発するなど、品質が低下し経営上問題となる。そこで反射フィルムマルチによる着色促進効果を、反射光と樹体温度の影響との関係から検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 枝葉密度が高くて光環境が不良な暗区は、枝葉密度が低くて明るい明区に比べて樹冠内の照度は1/4以下に低下し、暗区は明区に比べて夏期の着色が遅かったが、着色開始期の5月下旬に反射フィルムを樹冠下マルチすると、暗区では着色が裸地区よりも20日程度促進された。しかし明区の反射マルチ区では逆に着色が遅延した(表1)。
  2. 反射フィルムは晴天日の明区では、60%近く反射し樹冠下の照度を高め、同時に樹冠内の温度を高めた。梅雨の曇天日では反射マルチの効果は晴天日に比べて小さかったが、樹冠内の温度は裸地区に比べてむしろ低下した(表2)。
  3. 非接触型温度計で樹体表面温度を測定した結果、暗区では裸地区に比べて反射マルチ区の方が低かったのに対して、明区では裸地区の方がかなり高く樹体温度が40度以上に高まった(表2)。
  4. 晴天日の明区では裸地区に比べて反射マルチ区は樹体温度が著しく高まり、とくに樹冠上部の葉と果実は40度以上に高まった。曇天日には樹体温度は反射マルチ区の方がむしろ低かった(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 極早生や早生温州の夏期の着色の遅れに対して反射フィルムの樹冠下マルチによって着色を促進できるが、しばしば梅雨時期や、日照のやや少ない園地あるいは枝葉が込み合った密植園地の着色の遅れに対してこの方法が適用できる。マルチの設置時期は5月中~下旬頃が適切であり、資材は反射率の高い資材を用いて樹冠下にマルチする。葉数が少なくて樹冠下に直射日光が当たる園地では適用できない。

 [その他]
 
研究課題名:反射マルチによる着色向上試験
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成5年~)
研究担当者:藤井栄一、高木信雄、菊池泰志
発表論文等:なし
 
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