キウイフルーツの夏季環状はく皮による果実肥大効果

[要約]
キウイフルーツの開花前に花腐細菌病予防として行う環状はく皮とは別に、7月から8月にかけて幅1㎝、7日程度に4回の環状はく皮を主幹部に行うことで、果実肥大効果、果実品質の向上が期待でき、樹体への悪影響も少ない。
   愛媛県立果樹試験場 栽培育種室
    [連絡先]089-977-2100
    [部会名]果樹
    [専門]栽培
    [対象]果樹類
    [分類]指導

[背景・ねらい]

キウイフルーツの果実肥大には植調剤による効果が認められているが、果実品質への影響が懸念されている。そこで、環状はく皮による果実大効果、果実品質の向上、着花や樹体への影響を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 収穫果実の階級別構成比は、はく皮処理によりL果以上の割合が増加する。特に、連年連続処理では効果が高く、2L、3L果以上の割合が高い(表1)。
  2. はく皮処理の肥大進効果は翌年まで及び、処理後2年目でもL果以上の割合が増加 する(表1)。
  3. はく皮処理樹の果実の糖度は、7月、8月処理樹で収穫果、追熟果ともに無処理樹より高く、追熟果の酸含量は低くなる(表2)。
  4. はく皮処理の樹勢(結果枝の伸長)に及ぼす影響は少なく、翌年の母枝の確保には問題がない(表3)。
  5. はく皮処理翌年の発芽率、着花程度に及ぼす影響は少なく、収量に影響する程ではない。(表4
  6. 以上の結果、7月から8月の生育期の環状はく皮処埋は、果実大促進、果実品賞の向上に効果があり、また、樹勢や翌年の発芽率や着花への影響は少ない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 5月初旬に花腐細菌病対策として行う環状はく皮は、樹勢の弱い樹に対する処理では、根の発達阻害、果実肥大の抑制など問題点も多く、処理樹の選択に注意しなければならない。夏期生育期のはく皮処理は、新梢、新根もあるていど生育しており、5月初旬の処理に比べ樹勢に対する影響は少ないと考えられるが、処理にあたっては、樹勢の強めの樹を選んで行い、また、一回目の処理傷の治癒が悪いようなら二回目以降の処理を中止するなどの配慮が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:キウイフルーツの高品質果生産技術確率試験
予算区分   :県単
研究期間   :平成4年~
研究担当者:森口一志、越智政勝、矢野隆、佐川正典、井上久雄
発表論文等:なし
 
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