園内道設置傾斜地カンキツ園における機械利用による作業の省力効果
[要約]
カンキツ園
の
斜度20度以下
の等高線状に幅2mの
園内道
を各列に設置した園では、機械利用により防除、施肥、改植作業の
省力化
が図れる。
愛媛県立果樹試験場 栽培育種室 [連絡先]089-977-2100 [部会名]果樹・傾斜地 [専門]作業 [対象]果樹類 [分類]指導
[背景・ねらい]
傾斜地カンキツ園における作業の省力化を目的に、幅2mの園内道を等高線状に各列に設置した園地での、機械利用によるカンキツ生産体系の確立を図る。
[成果の内容・特徴]
スピードスプレーヤ(M社製、タンク容量1,000リットル)散布区、小型風筒式防除機(愛媛果試製試作機、タンク容量500リットル)散布区、クロラー式運搬車に動噴と500リットルタンクを搭載し、N社製の畦畔ノズルで手散布した区、動噴及びタンクを固定し一般防除用ノズルで手散布した区を設け、防除時間を比較した。
機械利用による10a当たりの防除時間を手散布と比べると、スピードスプレヤーで5倍、小型風筒式防除機及びクローラ式運搬車に動噴とタンクを搭載し2人が散布した区で約2.5倍、クローラ式運搬車に動墳とタンクを搭載し、1人が運転1人が散布した区で約2倍作業能率が優れる。薬剤散布は、手散布に比べクローラ式運搬車に動墳とタンクを搭載し、畦畔ノズルを使用した区で約14%多く必要である(
表1
)。
クローラ式運搬車に肥料散布機(M社製、ブロードブラスター)を搭載し、クロラー式運搬車の運転者ともう1人が荷台に乗り、肥料散布機を操作し、施肥を行った区と手散布施肥(1人)と作業時間を比較した。作業能率は手散布に比べ機械利用により約2倍優れる(
表2
)。
改植に必要な作業をパワーショベル(1.5トン)を用い、人手作業と比較すると、抜根は人手に比べ約14倍、整地は約5倍作業性が優れる(
表3
)。
[成果の活用面・留意点]
既存の成木園で等高線状に各列に幅2mの園内道を設置すると、植栽本数が減少し収量が低下するが、防除、施肥作業は機械利用により大幅に省力化でき、運搬作業も大幅な省力化が可能と思われる。今後、改植予定園では始めに園内作業道の設置を行い、次いで機械利用による抜根、植え付け作業を行い、機械導入に対応した植栽方法とするべきである。
[その他]
研究課題名:かんきつ園の改植と園地改造による省力機械生産体系の確立
予算区分 :地域基幹農業技術実用化研究
研究期間 :平成7年度(平成6~10年度)
研究担当者:加美豊、井上久雄、中川雅之、藤原文孝
発表論文等:なし
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