ユズ優良系統の選抜

[要約]
高知県内で選抜したユズ系統のなかで永野6、永野7および清遠系統はカンキツトリステザウイルスによるステムピッティングの発生が定植7年後も認められず、かつ、収量、品質等にも他の系統と差がないことから優良系統とみなされる。
   高知県農業技術センター果樹試験場・常縁果樹科
    [連絡先]0888-44-1120
    [部会名]果樹
    [専門]栽培
    [対象]果樹類
    [分類]指導

[背景・ねらい]

ユズは強毒系カンキツトリステザウイルス(以下CTV)に感染すると、樹勢の低下や果実の小玉化等が生じ、果実の安定生産が不可能となる。そこで、県内で選別された系統の中から、強毒系CTVに対する干渉効果が高く、果実の生産性に優れる優良系統を選抜する。

[成果の内容・特徴]
  1. ステムピッティング(以下SP)の発生度は永野6および7、渡辺、清遠、地元の各系統で低い(表1)。
  2. 樹勢は地元、山下、土佐山前田4-2、ユズマイルド3の各系統が強く、樹容積も大きい。永野4、6および7、渡辺、清遠の各系統は、SPの発生度が低いにも関わらず、樹容積が小さく、コンパクトな樹形を示す(表1)。
  3. 1樹当たりの収量は、根木屋、山下、坂本13の各系統が多いが、単位樹容積当たりの収量に換算した場合には、永野4および6、根木屋の各系統が多い。
  4. 凸型こはん様症は、永野4、6および7、渡辺、清遠、地元の各系統で発生果率、発生数ともに少ない。凹型こはん様症の発生は実生ユズが多いが、他の系統間には明らかな差はない(表1)。
  5. 果皮の厚さ、じょうのう数、果汁歩合、可溶性固形物、糖度計示度については、系統間に明確な差はない(表2)。
  6. 以上の結果、強毒系CTVに対する干渉効果の高さや、樹勢、果実の生産性等から判断して、永野6、永野7および清遠系を優良母樹として選定した。
[成果の活用面・留意点]
  1. ユズの新植および改植には積極的に活用する。
  2. 穂木は指定した母樹から採穂する。
  3. 優良選抜系統を用いての園地更新は、苗木更新(改植)とし、高接ぎ更新はしない。
  4. 媒介昆虫であるミカンクロアブラムシの防除を徹底する。
  5. SP発生の有無を継続調査するとともに、これらの系統がCVM弱毒ウイルスを保毒しているものか否かについても接種試験等で明らかにしていく。

 [その他]
 
研究課題名:ユズ弱毒ウイルス母樹の選抜育成に関する研究
予算区分  :県単
研究期間  :昭和61年~平成6年
研究担当者:田中満稔、谷岡英明、青木俊和、五百蔵茂、真鍋糺
発表論文等:なし
 
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