茶園の堆きゆう肥利用による化学肥料の節減

[要約]
茶樹の年間窒素施肥量60㎏/10aのうち25~50%を堆きゆう肥で代替し連年施用することで、百芽重の増大による生葉収量の増収が期待できる。一方、土壌物理性については液相率の大幅な改善効果がみられ、保水性排水性が向上する。
   香川県農業試験場 満濃分場
    [連絡先]0877-79-3690
    [部会名]野菜・花き・茶(茶)
    [専門]栽培
    [対象]茶
    [分類]指導

[背景・ねらい]

茶栽培においては、収量増大と品質向上を目的として一般に多肥栽培されている。化学肥料の使用が多く、肥料費は生産費の3割以上を占めている。多肥栽培は環境への負荷を大きくするが、生産性の向上には必ずしも結びついていない。そこで、環境にやさしく良質で廉価な茶生産を目的として、畜産副産物である堆きゆう肥(牛、豚)の肥料としての代替効果並びに土壌改善効果について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 一番茶生葉収量は、牛ふん堆肥25~50%代替施用区、豚ぷん堆肥25~50%代替施用区ともに慣行施肥区より6~10%増収傾向を示す。(表1
  2. 一番茶収量構成要素については、牛ふん堆肥区で摘芽数がやや少なく、百芽重が大きい芽重型タイプの芽となる。出開度は、堆きゆう肥の施用で慣行施肥区より遅れる傾向を示す。
    これは、芽重型の芽が多くなったものと考えられる。(表1
  3. 堆きゆう肥施用による一番茶荒茶品質への影響は判然としない。(表1
  4. 土壌中の無機態窒素の動態は、堆きゆう肥施用区と慣行施肥区はほぼ同じ変動傾向を示した。(図1
  5. 土壌物理性については、牛ふん堆肥施用区の固相率が低く、液相率が高く処理前及び慣行施肥区から比較して大幅な改善が図られる。孔隙率は、牛ふん堆肥区と豚ぷん堆肥50%代替施用区で改善効果は高い。一方、土壌水分率は、処理前土壌及び慣行施肥区に比較し、堆きゆう肥施用区で高く改善される。これらのことから、堆きゅう肥を連年施用することにより土壌物理性及び保水性、排水性の改善効果が見られる。(表2
  6. 以上から、堆きゆう肥を肥料として10a当たり窒素成分として慣行(60㎏/10a)の25~50%を春肥の時期に1/3、秋肥の時期に2/3畦間へ代替施用することで、従来施用している化学肥料を削減することは十分可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 畜産副産物の有効利用と環境保全型茶栽培の一助となる技術指針として利用可能である。
  2. 県内すべての茶園に適用できるが、土壌緩衝能の低い茶園ではPHの上昇を招く危険性があるのでときどきチェックする。
  3. 未熟堆肥の利用は、生育障害を引き起こす危険がある。完熟堆肥を利用する。

 [その他]
 
研究課題名:堆きゅう肥利用による肥料の節減とその補完性
予算区分  :県単
研究期間  :平成7年度(平成元年~6年度)
研究担当者:原井則之、岩井正直
発表論文等:なし
 
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