イチゴ‘女峰’の丸型成型ポット苗利用によるマルチ後定植栽培
[要約]
イチゴ
の
促成栽培
において、根鉢が細長い丸型
成型ポット苗
を利用すると、慣行のポット苗や地床苗に比べ、
マルチ後定植
を容易に行うことができ、
マルチ
被覆作業の軽減化を図ることが可能である。マルチ後定植を行うと、初期生育が旺盛となり、頂花房の収穫開始時期がやや早まるが、第2花房の収穫時期はやや遅れる。
香川県農業試験場 三木分場 [連絡先]0878-98-0004 [部会名]野菜・花き・茶(野菜) [専門]栽培 [対象]果菜類 [分類]指導
[背景・ねらい]
イチゴの促成栽培におけるマルチ被覆は、通常は定植後地温が低下したのちに行われるが、作業姿勢が悪いうえ、マルチに穴を開けて茎葉を引き出す作業は非常に面倒である。マルチ被覆後に定植を行えば、被覆作業は省力化されるが、慣行のポット苗や地床苗では根部が大きいため、かえって定植作業の妨げとなる。そこで、根鉢が細長い丸型成型ポット苗を利用したマルチ後定植栽培により、マルチ被覆作業の省力化を図るとともに、生育などへの影響を調査、検討した。
[成果の内容・特徴]
丸型成型ポット(通称アイポット)により養成した‘女峰’の苗をマルチ被覆後に定植した場合、マルチ被覆に要する時間は慣行の20%程度ですむ(
表2
)。
マルチ後定植を行うと、定植直後の地温はマルチがない場合より、4~5℃高くなる(
1図
)。このため初期生育が旺盛となり、頂花房の収穫時期がやや早くなるが、第2花房の収穫時期はやや遅れ、収量がわずかではあるが減少する(
表1
、
図2
)。
マルチの種類による差については、銀黒二色農ポリマルチの方が黒農ポリマルチより定植直後の地温がやや低いが、収穫開始時期、収量ともやや劣る(
1図
、
表1
、
図2
)。
[成果の活用面・留意点]
丸型成型ポットを使用することにより、育苗管理や定植についても軽作業化と労働時間の短縮化が期待できる。
マルチが固定されていないと、風などにより定植直後の茎葉をいためるおそれがある。
地温が上昇するうえ肥料の流亡が少ないため、基肥量は抑える必要があると考えられる。
‘女峰’以外の品種は別に検討する必要がある。
[その他]
研究課題名:イチゴの育苗労力軽減と早期多収生産のためのクラウン利用育苗技術の開発
予算区分 :地域重要新技術開発促進事業
研究期間 :平成7年度(平成6年~8年)
研究担当者:近藤弘志
発表論文等:なし
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