イチゴのセル成型育苗におけるわい化剤利用による苗の小型化

[要約]
イチゴセル成型育苗において、わい化剤(ウニコナゾール-P)の50培液を葉面散布することによって、葉柄が伸長抑制し、苗の小型化が可能であり、収量品質には影響がない。また、徒長しないため摘葉回数を減らせ育苗管理が省力となる。
   香川県農業試験場 野菜担当
    [連絡先]0878-89-1121
    [部会名]野菜・花き・茶(野菜)
     [専門]栽培
    [対象]果菜類
    [分類]研究

[背景・ねらい]

イチゴの育苗の省力化を図るためセル成型苗の利用が検討されているが、育苗後半での徒長が問題となっている。そこですでに、イチゴの花芽分化のための暗黒冷蔵処理時に徒長防止効果が認められている、わい化剤(ウニコナゾール-P)を用い、育苗時の地上部の小型化を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. わい化剤散布処理は、イチゴ苗の本葉を3葉に摘葉後、培地面に薬液がしたたり落ちないよう注意して葉が濡れる程度に行う。
  2. 処理による伸長抑制は葉柄に著しく現れる。処理直後に展開してきた葉の葉柄長は、無処理の1/3程度になる。葉身長の伸長抑制は葉柄長に比べ少ない(表1)。
  3. 葉柄長の伸長抑制により、コンパクトな草姿となりセル成型育苗が可能となる。また、徒長しないため、摘葉回数を減らすことが出来る。
  4. 処理の効果は、定植期までにほぼ消失し、定植後展開した葉は無処理と同等の生育をする(表1)。
  5. 収穫始めは、無処理と差がなく12月初旬からとなる。また、秀品収穫物の階級、秀品率、平均果重に差は認められない(表2、3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 女峰のセル育苗による普通促成栽培に適用される。
  2. 8月第1半旬に処理を行うとわい化の効果は、定植期までにほぼ消失し、定植後展開した葉は無処理と同等の生育をする。
  3. 薬剤には土壌処理効果もあるため、セル培地に薬液が多量に落ちると定植後も生育が抑制され減収になる可能性がある。
  4. 処理により葉色が濃くなるため、葉色からチッ素中断の程度を判断できない。
  5. 夜冷処理を行う場合の徒長防止にも効果が期待される。

 [その他]
 
研究課題名:イチゴの育苗労力軽減と早期多収生産のためのクラウン利用育苗技術
予算区分  :地域重要新技術
研究期間  :平成7年度(平成6~8年)
研究担当者:松崎朝浩
発表論文等:なし
 
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