品種・追肥・夜間送風による半促成ナスの果皮障害対策

[要約]
半促成ナスに発生する日焼け様の果皮障害の対策として、品種を「筑陽」に変え、無機態窒素による追肥と、夜間連続送風を組み合わせることによって、慣行の栽培法に比較し、障害の発生を7割近く抑制できる。
   愛媛県農業試験場 栽培開発室
    [連絡先]089-993-2020
    [部会名]野菜・花き・茶(野菜)
    [専門]栽培 
    [対象]果菜類 
    [分類]指導

[背景・ねらい]

本県の半促成ナス栽培では、1980年代から果実の表皮にただれ状あるいは日焼け症状の障害が毎年発生している。また他県産地より出荷基準が大果であるため、障害の症状が激しくなり、品質を著しく損なっている。そこで発生の実態を調査し、原因を究明するとともに、抑制技術について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 障害の出方は、面的に果皮面がただれる障害(「ただれ状障害」と仮称)と、ガク割れと同様に果皮面がハの字状、あるいは波状にただれる障害(「ハの字状障害」と仮称)が観察される。
  2. ただれ状障害は亜硝酸ガスが関係することから、硝酸溶液の付着テストで障害が生じる硝酸渡度のレベルで障害感受性を判断すると、品種「筑陽」は、「黒陽」より感受性が低く、ただれ状障害の発生が少なくなる(表1)。
  3. 追肥することによって障害感受性は高まり、追肥の窒素形態では、有機態窒素が、無機態窒素より感受性が若干高くなり、障害も2倍多く発生する(表2)。
  4. 暖房繊のダクトに小穴を多数開け、17時から翌朝8時の間送風すると、相対湿度を若干下げ、結露の発生を抑えるとともに、障害感受性も若干低下する(表2図1)。
  5. 夜間送風によって、障害の発生は、4~7割抑制できる〈表2)。
  6. 品種「筑陽」の利用、無機態窒素による追肥、ダクトによる夜間送風を組み合わせることによって、黒陽を用いた慣行栽培に比較し、障害の発生を7割抑制することが可能である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 半促成ナスでは、筑陽の低収性を補うため、トルバム・ビガーを台木に利用する。台木間に障害発生率の差は認められない。加温期間中の夜間送風は、果実に温風が当たらないようにする。波状の果皮障害は、ガク内面からの溢液が非常に多い場合に発生し、基本的にはハの字状の果皮障害と発生原因、対策は同じと考えられる。

 [その他]
 
研究課題名:半促成ナスの果皮障害対策
予算区分:県単
研究期間:平成7年度(平成4~6年)
研究担当者:才木康義、大林弘道、福田康彦
発表論文等:なし
 
目次へ戻る