生態系活用型農業におけるホウレンソウ、葉ネギの作期別適品種

[要約]
太陽熱処理、被覆資材の特性を利用する省農薬栽培を自的とした生態系活用型農業においてホウレンソウ葉ネギ周年栽培する場合の作期別の適品種を選定した。
   高知県農業技術センター・作物園芸部・露地野菜科
    [連絡先]0888-63-4918
    [部会名]野菜・花き・茶(野菜)
    [専門]栽培
    [対象]葉菜類 
    [分類]指導

[背景・ねらい]

軟弱野菜は葉を食用とするため病害虫が商品性に与える影響が大きい。そこでホウレンソウ、葉ネギを対象に生態系活用型周年生産体系を確立するため、病害虫による被害を回避できる栽培時期を選定するとともに、作期別の適品種について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 7月中旬~8月上旬に太陽熱処理をし外張りに近紫外線除去フィルム、閉口部に寒冷紗を展張した雨よけハウスで栽培した。肥料にはぼかし肥料を使用した。
  2. 1の条件下で、ホウレンソウの立枯れ性病害は6月播種および8~9月播種で、虫害は5月播種及び8~9月播種でやや多くなる。葉ネギでは病害は周年見られず、虫害はどの播種期においても同程度の被害である。しかし、いずれについても被害程度は低く、商品性を損なうほどではない。また病虫害に明瞭な品種間差は認められない(表123)。
  3. ホウレンソウでは虫害回避および雨よけ施設の利用効率の点から収穫到達日数は短い品種が有利であり、3月播きで‘リード’、‘オーライ’、‘パレード’、4~6月播きは抽だいが遅い‘おかめ’、‘アクティブ’、‘サイクル’か優れる(表1)。
    8月下旬以降は‘パレード’が8月、‘あきばれ’が8~11月、‘リード’が9~1月、‘オーライ’が11~1月、‘風太郎’が1月の各播種期で優れる(表2)。
  4. 葉ネギでは4月播きが‘わかさま黒’、‘鴨頭ねぎ’、8月下旬播種か‘雷王’、12月播種では‘鴨頭ねぎ’、‘雷山’が収量・品質の点で優れる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 両作物ともに高温で発芽率か低下する。そこで地温低下、土壌水分保持のため発芽までは寒冷紗などをべたかけする。また冷涼な気候を好むため夏期の作型においては遮光をし、温度の低下を図る。

 [その他]
 
研究課題名:西南暖地における軟弱野菜の生態系活用型周年生産体系の確立
予算区分   :地域重要新技術
研究期間   :平成7年度(平成4~6年)
研究担当者:細川卓也・島村泰秀
発表論文等:なし
 
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