高標高地向き茶品種「めいりょく」

[要約]
高標高地域(標高700m)に適する品種として「めいりょく」を選定した。摘採期は「やぶきた」と同じかやや早く、樹勢が強く生育が旺盛である。定植後4、5年の一、二番茶の合計収量もやや多収で、品質は「やぶきた」と同程度かやや優れ、耐病性炭そ病)、耐寒性赤枯れ、落葉)もやや強いため適する。
   高知県農業技術センター 茶業試験場
    [連絡先]0889-32-1024
    [部会名]野菜・花き・茶(茶)
    [専門]育種
    [対象]茶 
    [分類]指導

[背景・ねらい]

本県では、中山間地帯向き品種として「やぶきた」、「さやまかおり」、「おくみどり」を推奨品種として普及を図っているが、「やぶきた」の普及率が最も高く一品種寡占状態となっている。
近年、標高の高い地域に国営農地開発事業により農地が造成され、茶の栽培面積が拡大しつつある。一般に普及している「やぶきた」は、寒害に弱く、耐病性(炭そ病)にもやや弱い等の欠点を持っている。しかも、一品種だけの栽培では、気象災害や病虫害の被害を集中的に受けやすく、摘採時期が集中するため、労力配分、製茶機械の大型化による過剰投資等が問題となっている。
そこで、高標高地域の栽培に適する有望品種の選定が望まれていた。

[成果の内容・特徴]
  1. 生育は旺盛で、特に幼木期の生育が優れ成園化か早い。樹姿はやや直立であるが、分枝数が多く、株張りか良い。また、耐病性(炭そ病)については、「やぶきた」よりやや強く、耐寒性(赤枯れ、落葉)も強いため栽培が容易である(表1)。
  2. 摘採期は「やぶきた」と同じかやや早い。収量は、「やぶきた」と比較して、定植後4、5年の初期収量(一、二番茶合計)はやや多い(表2)。
  3. 製茶品質は「やぶきた」と同程度で良好であり、外観は緑がさえ形状が作りやすく、内質は香気、滋味とも良好で清涼感がある(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 単位面積当たりの収量が「やぶきた」よりも多く、さらに品質も「やぶきた」と同程度良好であるため、「やぶきた」と組み合わせて栽培することにより摘採期の集中を若干であるが緩和でき、良質茶の生産か期待される。
  2. 裂傷型凍害に対して弱いので、定植後1~2年は敷草、土奇せ等により株元を保護する必要がある。
  3. 樹勢か強いので、幼木期の仕立てて十分な切り戻しが必要である。
  4. 新芽の成長が旺盛で出開き芽になりにくいので、摘採適期が遅れないよう注意する。

 [その他]
 
研究課題名:高標高地向き品種の適応性試験
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成2年~7年)
研究担当者:邑田修三
発表論文等:なし
 
目次へ戻る