桑の組織培養における不定芽誘導のMS培地最適条件と品種間差異

[要約]
桑の組織培養における不定芽誘導MS培地最適条件は、ベンジルアミノプリン濃度6.0ppm、果糖濃度3.0%、PH5.6~5.8であり、桑品種では「しんけんもち」「あおばねずみ」「おおゆたか」に適用可能である。
   愛媛県農業試験場  蚕業支場・研究指導室・病理バイテク班
    [連絡先]0893-25-3039
    [部会名]蚕糸
    [専門]栽培
    [対象]工芸作物・桑
    [分類]研究

[背景・ねらい]

季節的制約を受けずに必要な時期に必要な量の桑苗生産を可能とするため、桑の組織培養に適する培地条件を明らかにするとともに、品種による差異を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 桑の冬芽から取り出した未熟葉を用いて、不定芽を誘導するMS培地の最適条件は、ホルモン(ベンジルアミノプリン)濃度は6.0ppm、果糖濃度3.0%、PHは5.6~5.8である(表1)。
  2. 桑の不定芽誘導には品種間差異があり、「しんけんもち」「あおばねずみ」「おおゆたか」の不定芽誘導率は70%前後と高いが、「はやてさかり」は20%前後と著しく劣る(表1)。
  3. 誘導した不定芽から効率的にシュートを作出するため、最適培地組成を検討した結果、標準的なMS培地に無機成分及びビタミン類を倍増されても大きな差は見られない。また、品種間における差もほとんど見受けられなかった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 採取時期によっては不定芽誘導率やシュート発生量が減少するので注意が必要である。
  2. 本成果は、1月に採取した冬芽を利用した。

 [その他]
 
研究課題名:組織培養による桑の大量増殖と新品種作出技術確立試験
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成元年~7年)
研究担当者:板谷俊宏、密田和彦、福森茂樹、藤林弘恭
発表論文等:愛媛県蚕業試験場要報,第16号,1995
 
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