晩柑類の精油の利用加工

[要約]
晩柑類精油を搾油し、脱テルペン化を行って果実加工ヘ利用するとよりフレッシュ感のある加工品が得られる。
   愛媛県工業技術センター・食品加工室
    [連絡先]089-976-7612
    [部会名]食品
    [専門]加工利用 
    [対象]果実 
    [分類]研究

[背景・ねらい]

清見、日向夏、ヒメポン、レモンなどの晩柑類が地域の特産果実として定着し、今後も生産量の増加が見込まれることから、規格外品による付加価値の高い食品加工開発の要望が強い。そこで、精油を搾油後香気改良のため脱テルペン化を行って、食品加工への利用を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 外果皮を水に5時間浸漬したのち、オレンジロールで搾油し、遠心分離を行って精油を採取した。外果皮に対する搾油率は、0.32~0.45%である(表1)。
  2. キャピラリーに窒素ガスを通じ、2~4㎜Hgの真空度で、温度別に30分間減圧蒸留すると、テルペン系の主成分であるリモネンの濃度は50℃で激減する(図1)。含酸素系のリナロールは、45℃で最高値を示し、以後蒸留温度が高くなるに従い低下する。このことから、晩柑類精油の蒸留温度は、熱の影響等を考慮し50~55℃で行うこととした。
  3. 日向夏・ヒメポン・レモンでは、減圧蒸留すると、リモネンが原料油の約1/28に減少し、リナロールは、原料油の4.5~16倍に増大する。清見では、蒸留温度を55℃より若干上げないと脱テルペンできない。脱テルペン油は、各原料油とはやや異なる芳香性のあるオイルである(図2)。
  4. 晩柑類の果汁入り清涼飲料を調製し、脱テルペン油を0.005%加えて殺菌した。レモン果汁ではストレート果汁に添加した。精油添加区に比べ、脱テルペン油添加区は、よりフレッシュな感じの飲料であった。
[成果の活用面・留意点]
  1. オレンジロールによる搾油の収率が低いので検討の必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:晩柑類の利用加工に関する研究
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度
研究担当者:松本恭郎、大野一仁、松田宏
発表論文等:愛媛県工業技術センター研究報告(平成7年度)投稿予定
 
目次へ戻る