微生物処理したカンキツ類加工残渣からの抗酸化成分の検索
[要約]
イヨカン搾汁粕
等の
加工残渣
に、Rhi.oligosporus等の
微生物
を生育させることによって、新たな
抗酸化性物質
を産生させることができる。
愛媛県工業技術センター 食品加工室 [連絡先]089-976-7612 [部会名]食品 [専門]加工利用 [対象]果樹類 [分類]研究
[背景・ねらい]
カンキツ類の果皮を主とした加工残渣には、抗酸化成分等多くの有効成分が含まれているが、大部分が飼料としての利用に止まっており、有効成分の活用があまりなされていない。そこで先の研究では、カロテン等の色素の抽出・利用技術について検討した。平成7年度は、カンキツ類加工残渣を資化する微生物利用による、新たな有効成分の産生技術について検討した。
[成果の内容・特徴]
消石灰を加えて圧搾脱汁し、水分含量を調整したウンシュウミカン・イヨカンのインライン搾汁粕及びユズ搾汁粕に、Bac.natto・Lac.plantarum・Asp.oryzae及びRhi.oligosporusの4種類の微生物を各々接種し、40日間培養すると、水分含量40%では4種類とも生育しないが、50%でAsp.のみ生育、60%を越えると4種とも生育する。しかし、ユズ柏では生育が阻害され、精成分中に抗菌作用成分の存在が推定される(
図1
)。
微生物の生育が良好であったウンシュウミカン・イヨカン粕をエタノール抽出し、抗酸化性物質産生の有無をTLCで検索したところ、Bac.及びLac.では抗酸化性物質の産生が少ないが、Asp.及びRhi.で種類・量ともに多く抗酸化性物質の存在が認められる(
図2
)。
抽出物の抗酸化性を比較するため、リノール酸5gに、各区のエタノール抽出物約10mg(抽出液100μl)を添加溶解し、37℃で暗所に静置して、重量の増加を経日的に測定し、抗酸化性を比較すると、イヨカン粕80%水分Asp.区やRhi.区で効果が認められる(
図3
)。
[成果の活用面・留意点]
微生物処理により、新たな抗酸化物質の産生を確認することができたが、今後更に、微生物由来の坑酸化性物質の同定・抽出・精製技術と共力剤等について検討を行う必要がある。
[その他]
研究課題名:カンキツ類の高機能成分の検索と評価及び利用技術
予算区分 :新需要創出
研究期間 :平成7年度(平成6~9年)
研究担当者:二宮順一郎 毛利作太郎 児玉雅信
発表論文等:愛媛県工業技術センター業務年報(平成7年度)投稿予定投
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