微細孔フィルムを利用した小ネギの鮮度保持

[要約]
酸素透過量900~1200ml/袋・24hr・atmのポリプロピレン微細孔フィルム包装と普通段ボール箱を組み合わせた出荷方法により、小ネギ葉先枯れの発生が著しく抑制され、鮮度が高く保持される。
   高知県農業技術センター・作物園芸部・品質管理加工科
    [連絡先]0888-63-4916
    [部会名]食品
    [専門]加工利用 
    [対象]葉菜類
    [分類]普及

[背景・ねらい]

小ネギは本県の主要野菜としてハウス栽培を中心に周年出荷されている。この出荷は内装材にポリプロピレン有孔フィルム個包装、外装材に発泡スチロール容器の組み合わせにより行われている。しかし、現行の出荷方法では、高温期に発生する葉先枯れや発泡スチロール容器の廃棄処理、容器価格、保管スペース等の問題がある。これらのことから、内装材および外装材とも他の資材への転換による小ネギの鮮度保持方法について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 異臭の発生は包装内の酸素濃度との関係が強く、酸素濃度4%以下で認められ、2%以下では著しいので、包装内の酸素濃度は4%以上にする(図1)。
  2. 微細孔フィルムによる包装は、小ネギの呼吸とフィルムのガス透過性のバランスから包装内のガス組成が低酸素・高二酸化炭素状態に保たれる。酸素透過量900ml/袋・24hr・atmの微細孔フィルム包装では、最低酸素濃度が約4%となったが、低酸素による異臭の発生は認められない(図2)。
  3. 酸素透過量900、1200ml/袋・24hr・atmの微細孔フィルム包装と普通段ボール箱を組み合わせた出荷方法は、現行の有孔包装と発泡スチロール容器の組み合わせに比べ、葉先枯れの発生を著しく抑制し、鮮度を高く保持する(図3)。
  4. 普通段ボール箱による出荷は、発泡スチロール容器に比べ断熱性がやや劣るため、小ネギの品温が若千高く推移したが、両者に大きな差は認められない(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 袋が完全に密封されていないと、空気漏れにより鮮度保持効果が期待できないため、熱シールを完全にすることが重要である。
  2. 本技術の鮮度保持効果を高めるため、低温流通に努めることが必要である。

 [その他]
 
研究課題名:特産野菜の鮮度保持に関する研究
予算区分   :県単
研究期間   :平成6年度(平成3~6年)
研究担当者:鈴木芳孝
発表論文等:高知県農業技術センター研究報告第5号,1996。
        園芸学会中四国支部研究発表要旨第34号,1995。
 
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