抗生物質耐性遺伝子を導入したカボチャ懸濁細胞の作出

[要約]

アグロバクテリウムを用いたた方法でカボチャ培養細胞抗生物質耐性遺伝子を導入した。この形質転換細胞はメロン培養細胞より高い抗生物質(G418)耐性を示し、雑種細胞の選抜に利用できる。
   高知県農業技術センター 作物園芸部 育種バイオテクノロジー科
    [連絡先]0888-63-4911
    [部会名]生物工学
    [専門]バイテク 
    [対象]果菜類
    [分類]研究

[背景・ねらい]

メロンでは新しいレースのつる割病菌による被害がみられるが、本病に対して抵抗性を示す品種や台本メロンはない。そこで、細胞融合を用いて種間あるいは属間雑種を作出し、低抗性因子のメロンへの導入をはかる。
このような雑種を細胞融合により得ようとするとき、雑種細胞を効率的に選抜する方法が重要となる。そこでプロトプラスト融合個体を抗生物質耐性を利用して選抜するために、メロンとの融合相手の1つであるカボチャ「えびす」の培養細胞に、アグロバクテリウムを用いた方法で選抜用マーカーとしての抗生物質耐性遺伝子の導入を試みる。

[成果の内容・特徴]
  1. 抗生物質G418添加培地におけるカボチャ懸濁細胞の増殖・肥大率の減少傾向から、形質転換細胞の選抜に有効な濃度を検討した。形質転換細胞の選抜には20㎎/lの濃度のG418が有効である(表1)。
  2. アグロバクテリウム法(図1)により、カボチャ懸濁培養細胞にpB1121遺伝子(NPTⅡ、GUS遺伝子を含む)を導入した。形質転換処理・選抜を経たカボチャ懸濁培養細胞は20㎎/l のG418を含む培地中で増殖が可能であった。形質転換処理系統の細胞からDNAを抽出し、PCR産物のサザンブロットハイブリダイゼーションを行い、GUS遺伝子の導入が確認された(図2)。
  3. カボチャ形質転換細胞とメロンのG418耐性を比較すると、プロトプラスト段階での耐性に差はなかった。しかし、メロンカルスが10㎎/l 以上の濃度では活性がみられないのに対し、カボチャカルスは20㎎/l の濃度で増殖していることから(表2)、カルス段階でのカボチャ形質転換細胞の耐性は高い。
[成果の活用面・留意点]
  1. カボチャ形質転換細胞とメロンの細胞融合を行い、20㎎/l のG418中で培養することで、抗生物質耐性遺伝子が導入された雑種細胞を選抜することができると考えられる。

 [その他]
 
研究課題名:非対称細胞融合による地域特産作物の改良技術の開発
予算区分  :地域バイテク
研究期間  :平成7年度(平成3~7年)
研究担当者:植田祥平
発表論文等:なし
協力・分担関係:農林水産省 農業生物資源研究所 細胞育種部 遠縁雑種研究室
 
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