メロンおよびウリ科植物の細胞融合における融合細胞の選抜法

[要約]

メロンとウリ科植物(クロダネカボチャ,アレチウリ,C. metuliferus)の細胞融合において、プロトプラスト培養での培地組成フリザン酸耐性のちがいおよび紫外線IOAによる不活性化処理を組み合わせて、効率的に融合細胞の選抜を行うことができる。
   高知県農業技術センター 作物園芸部 育種バイオテクノロジー科
    [連絡先]0888-63-4911
    [部会名]生物工学
    [専門]バイテク 
    [対象]果菜類
    [分類]研究

[背景・ねらい]

細胞融合においては、融合細胞を効率的に選抜することが重要である。融合細胞は非融合細胞にくらべ生長が劣る場合が多く、融合処理後の初期の段階での融合細胞の選抜方法の確立が必要となる。このため、メロンとウリ科植物3種との細胞融合において、プロトプラスト培養における適性培地組成の違い、物理的および化学的不活化処理、プロトプラストの病原菌毒素(フザリン酸)耐性の違いについて検討し、これらの組み合わせによる融合細胞選抜条件を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. プロトプラスト培養において、メロンのプロトプラスト培地ではクロダネカボチャおよびアレチウリは分裂しない(表2)。
  2. C. metuliferusのプロトプラストヘの紫外線照射では、2.8μW/㎜の2分間処理で完全に分裂が抑制される(表1)。
  3. メロンプロトプラストへのIOA処理では、IOA 1.5mMの10分間処理で完全に分裂が抑制される(図1)。
  4. プロトプラスト培養でのフザリン酸の添加によって、メロンでは2~4㎎/lで分裂が抑制されたのに対して、クロダネカボチャは2~4㎎/lではほとんど活性が低下せず、フザリン酸耐性の差が認められる(表2)。
  5. 以上の結果より、融合組み合せ:①メロン+アレチウリではメロンのIOA 1.5mMの10分間処理,②メロン+C.metuliferusではメロンの10A1.5mMの10分間処理とC. metuliferusの紫外線2.8μW/㎜の2分間処理,③メロン+クロダネカボチャでは融合処理後のプロトプラスト培養培地へのフザリン酸2㎎/l の添加による融合細胞の選抜が適当である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 紫外線処理、IOA処理、フザリン酸処理は比較的緩い条件を設定しているため、場合によっては非融合細胞のエスケープが起こることが考えられる。このため、選抜された細胞の雑種性の検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:非対称細胞融合による地域特産作物の改良技術の開発
予算区分   :地域バイテク
研究期間  :平成7年度(平成3年~7年)
研究担当者:岡田昌久 植田祥平 野町敦志 猪野亜矢 松本満夫
発表論文等:育種学会四国談話会第53回講演会
 
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