四季成り性イチゴの秋・初夏二期どり作型における電照を利用した増収技術
[要約]
四季成り性イチゴ
を8月下旬に定植し、定柚直後から秋どり終了時まで
電照
を行う。9月中旬まで花房を摘除し、
秋期
(10~12月)に
収穫
を行い株を越冬させる。2月下旬にビニルを再被覆し、4月上旬まで花房を摘除する。秋期収護分に初夏収穫(5~7月)分を加えて10a当たり3~4tの収量を得ることができる。
徳島県立農業試験場池田分場・園芸科 [連絡先]0883-72-0239 [部会名]傾斜地農業、野菜・花き・茶(野菜) [専門]栽培 [対象]果樹類 [分類]指導
[背景・ねらい]
四季成り性イチゴの夏秋どり作型では、栽培に冷涼な気象条件を必要とするため、低中標高地において産地が形成されにくい。そこで、盛夏期の栽培を避け、8月下旬に定植し秋に収種を行った後、その株を越冬させ初夏に再び収穫を行う秋・初夏二期どり作型を新たに開発した。今回は秋どりの電照方法が収量に及ぼす影響を検討し、最も増収効果の高い電照技術を検討する。
6月中旬に鉢上げし、電照を行ったランナー苗を8月下旬に定植し、直ちに再度電照を行う(
図1
)。
定植直後から9月下旬まで、5月上旬から収穫終了まで40%程度の遮光を行う。定植後から10月上旬まで、5月下旬から収穫終了までは雨よけ状態で栽培を行う。10月中旬から12月下旬までは保温を行い、収複終了後ビニルは除去する。2月下旬にビニルを再被覆し保温を開始する(
図1
)。
株の充実を図るため、秋どりは9月中旬まで、初夏どりは4月上旬まで花房をすべて摘除する。
越冬株の株疲れぐあいは間欠電照、日長延長で大きく、無電照では小さい(
表1
)。
秋どり収量は間欠電照が最も多く、次いで日長延長である。初夏どり収量は無電照が最も多く、次いで日長延長である。秋どりと初夏どりを合わせた収量は日長延長が最も多く、次いで間欠電照である(
表2
)。
果実の重量は、秋どりでは光中断、間欠電照が重く、初夏どりでは無電照、日長延長が重くなる(
表2
)。
[成果の活用面・留意点]
低中標高地で四季成り性イチゴ栽培が可能となる。
高標高地域の夏秋どり作型と連携した出荷体制が構築され、市場対応力が強化される。
ビニル再被覆時に芽数を3芽に調整する。
果実品実を高めるため、秋どり、初夏どりともに果実数は1花房3果に調整する。
初夏どりでは、樹勢を保つため定期的に液肥を施用する。
電照方法によって秋どりと初夏どりの収量が異なるので、商品単価や労力等を考慮して電照方法を決定する。
[その他]
研究課題名:
四季成り性イチゴを用いた秋・初夏二期どり作型の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成8年度(平成6年~10年)
研究担当者:高木和彦、國見吉広
発表論文等:なし
目次へ戻る