トルコギキョウの高標高地育苗苗を利用した10月どり栽培技術

[要約]
 
トルコギキョウ早生系品種を標高約900mの高標高地で6月中旬に播種し、第2節位葉が完全に展開する7月下旬まで育苗する。育苗終了後、これらの苗を標高200m程度の低標高地に定植するとロゼット株の発生もなく、冷房育苗をした苗と同等品質の切り花を10月上旬から中旬にかけて収穫することができる。
徳島県立農業試験場池田分場・園芸科
[連絡先]0883-72-0239 
[部会名]傾斜地農業、野菜・花き・茶(野菜)
[専門]栽培
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]
 
トルコギキョウを初夏に播種育苗し、10~11月に収穫する作型では、育苗期間中に高夜温に遭遇するため、定植後にロゼット株などが発生し、採花株率や切り花品質の低下が認められる。そこで、高標高地の冷涼な気象条件下で高夜温遭遇を回避し、ロゼット化を防止した苗を育苗し、この苗を用いた低標高地における10~11月に高品質の切り花を収穫する作型を開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 早生系品種を標高約900mの高標高地で6月中句に播種し育苗を行う。
  2. 育苗はビニルの上に遮光率約50%の遮光資材を被覆した雨よけ状態で行い、ロゼット化の危険性がなくなる第2節位葉が完全に展開するまで行う。
  3. 育苗期間中の最低気温の半旬値は20℃以下である(図1)。
  4. 育苗終了後、苗を低標高地に降ろし、遮光率約20%の遮光資材を被覆したハウスに定植する。遮光資材は8月下旬に除去する。
  5. 定植後ロゼット株、生育遅延株等は発生せず、10月に全株採花できる(表1)。
  6. 切り花品質は、収被時期がほぼ同じである6月上旬播種の冷房育苗苗と比較して、切り花長、分枝数、中位茎径ではやや劣るが、切り花重、花蕾数では優る同等品質の切り花が収穫できる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 高標高地での育苗、低標高地での栽培とリレー栽培が可能となる。
  2. 簡易施設を利用した高温ロゼット化防止苗の生産が可能となり、種苗費の軽減につながる。
  3. 畦立て、マルチ被覆は、土壌に適度な湿り気を与えた状態で行う。定植後から草丈が15㎝程度になるまでの生育期間中は十分に灌水を行う。
  4. 早生系品種で高温ロゼット性の弱い品種を用いる。

 [その他]
 
研究課題名:標高差を活用したトルコギキョウの作期拡大技術の確立
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成8年度(平成8年~10年)
研究担当者:高木和彦
発表論文等:なし
 
目次へ戻る