急傾斜かんきつ園における畦畔ノズル利用防除の省力効果
- [要約]
- 防除機械の利用が困難な急傾斜カンキツ園において、畦畔ノズルを用いた防除法は作業時間を短縮し、軽作業化できる。
愛媛県立果樹試験場・栽培育種室
[連絡先]089-977-2100
[部会名]傾斜地農業・果樹
[専門]作業
[対象]果樹類
[分類]指導
- [背景・ねらい]
- 防除機械の導入が困難な急傾斜かんきつ園における、手散布による防除作業の省力化を図る。
- [成果の内容・特徴]
- 園内道のない急傾斜地園で畦畔ノズル(ホース径10㎜)を用いて各列に殺虫剤を散布すると、慣行ノズル(ホース径8.5㎜)に比べ散布時間は約1/3短縮されるが、散布量はかなり増加する(44%増)。また、殺菌剤を2~3列散布した場合、散布時間は約1/2と大きく短縮され、散布量はやや増加するにとどまる。なお、いずれの場合も薬剤は充分付着している(表1)。
- 斜面に対し斜めに園内道を設置した急傾斜地園で畦畔ノズルを用いた殺菌剤散布時間は設置前に比べ約1/4短縮され、散布量も減少し(81%)心拍増加指数も低下するが、この場合は薬剤の付着程度がやや劣る(表2)。
- 畦畔ノズルを用いた散布は樹列数が多くなると薬剤の付着程度が劣る。このため、丁寧な散布を必要とする殺虫剤散布では1列毎(距離約2m)に散布する必要がある(表1、表3)。
- 25kg/cm2の圧力のもとで、薬剤の到達距離は内径に比例して遠くなる。また散布福は噴出口から5mまでは差がみられないが、10mでは中型、大型畦畔ノズルが優れる(図1、表4)。
- [成果の活用面・留意点]
- 急傾斜園地で数列単位での殺菌剤や液肥散布の省力化が図れる。
- 丁寧な散布を要する殺虫剤散布は各列散布が好ましい。
[その他]
研究課題名:傾斜地園における防除の省力化
予算区分:地域重要
研究期間:平成8年度(平成5~9年)
研究担当者:加美豊、井上久雄、藤原文孝
発表論文等:なし
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