果樹園上空写真の解析による園地概況の把握手法

[要約]
 
傾斜地カンキツ園の園内道・樹体などの園地概況を、写真地図として表示する手法を開発した。本手法は、無人ヘリを用いて園地の上空から撮影した実体視可能な一対のステレオ写真より正射投影の写真地図を作成するもので、この地図上で園内道の長さ・面積、樹冠の面積を簡易に計測することができる。
四国農業試験場・総合研究部・総合研究第1チーム
[連絡先]0877-62-0800
[部会名]傾斜地農業
[専門]地形
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

傾斜地域のカンキツ園地では軽労省力化のための園地整備が急速に進んでおり、園内道設置に伴う道路・樹冠占有率の変化、地形に応じた園内作業道の配置などを検討するために、園内道・樹冠などの園地概況を簡便・的確に把握する手法の開発が求められている。

[成果の内容・特徴]
  1. 傾斜園地の上空から遠隔操作される無人へリコプター(H社飛行委託、撮影当事者)を用いて一対のステレオ空中写真を撮影し、この写真を用いた地図・画像処理ソフト(M社 TNTmips)による解析より正射投影の写真地図を簡易に作成する。この撮影・写真引き伸ばしから地図作成まての作業は、比較的簡便である。
  2. 作成作業の手順(図1)は、まず、①地上での基準点測量(GPS測量および光波測量)を行った範囲を撮影し、②実体視可能な一対の空中写真をスキャナーで読み込み、画像データファイルを作成する。つぎに、③地図・画像処理ソフトで、(1)基準点位置の対比・参照、(2)対応点の選定、(3)ディジタル標高モデル(DEM)の作成を経て、正射投影の写真地図を合成する。さらに、④この写真地図上で、同ソフトの計測ツールを用いて園地の形状を計測する。
  3. 本手法は、中心投影の写真を正射投影の写真地図の形に変換するもので、園地の実態がゆがみのない平面図として表される(図2)。
  4. 平面図であるため、写真地図上で、才一バーレイ形式により園内道などの状況の分布図を描き、長さ・面積などの形状の計測ができる(図3表1)。写真地図上の計測は、現地測量とほぼ一致し、簡易計測としては整合性がよい。
[成果の活用面・留意点]
  1. 地上の測量地点は、最小で4点、起伏がある場合でも10点ほどあればよい。
  2. 一対の写真により、一樹ごとに長さ・面積を計測する場合の撮影範囲は、200m×200m程度の大きさが最大である。

 [その他]
 
研究課題名:園地整備技術、機械化技術の定着条件の解明
予算区分:地域総合
研究期間:平成8年度(平成7~9年度)
研究担当者:山本博、高辻豊二、宮崎昌宏
発表論文等:平成9年度日本地形学連合大会において発表
 
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