水稲半練り直播栽培の春作業量とその評価手法

[要約]
 
水稲半練り直播栽培の春作業に要する作業時間は、10a当たり9.16hrで移植栽培の55%に短縮される。また、春作業量をエネルギー代謝率(R.M.R)を使って負担度を評価すると、直播栽培は移植栽培の41%に軽労化評価される。
香川県農業試験場・経営情報担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]営農
[専門]経営
[対象]水稲
[分類]研究

[背景・ねらい]

水稲の半練り直播栽培の導入効果として、省力化や低コスト化があげられているが、農家の高齢化等を考慮して、作業の軽労化について評価する必要がある。
そこで、水稲の各作業について、それぞれに必要なエネルギー代謝率(R.M.R.)と労働時間の積から負担度(R.M.R.×作業時間=負担度とする)を計算した。負担度を比較することにより、半練り直播栽培の軽労化の程度を明らかにする。なお、R.M.R.は水稲作業別に測定された値(表1)を用いた。

[成果の内容・特徴]
  1. 水稲の半練り直播栽培と移植栽培に要する作業時間を比較した結果、直播栽培は平均9.16hr/10aで、移植栽培の16.71hr/10aに比べ55%に省力できる。特に、直播栽培では育苗作業がなくなり、コーティング作業だけとなる(表2)。
  2. 10a当たりの作業時間に、R.M.R.を掛け合わせて求めた負担度については、直播栽培が16.52で、移植栽培の40.21と比べて41%に軽労化される。直播栽培では、コーティング作業や施肥・直播作業で機械化による軽労化が図られる。
  3. 直播栽培の労働強度については、負担度/作業時間(作業の平均R.M.R.)が、直播栽培は移植栽培の75%となる。これを作業別にみると、直播栽培は移植栽培に比べて育苗作業がなくなり、施肥作案は49%、田植え・直播作業は76%と小さくなる。一方、耕起・代かき作業については、108%と大きくなる。このことから直播栽培では、育苗と施肥及び直播作業で、省力化及び軽労化が図られる技術である。
[成果の活用面・留意点]
  1. R.M.R.を用いた作業量の評価手法は、他の作物にも利用できる。
  2. R.M.R.は、作業のスピードや圃場、機械などの条件により異なる。また、作業内容によりRMRが明らかでないものもあり、留意する。

 [その他]
 
研究課題名:直播技術を導入した大規模水田輪作経営定着条件の解明
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:平成8年度(平成6年度~10年度)
研究担当者:香西宏、大西智司、河田光男
発表論文等:なし
 
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