瀬戸内平坦地域における大規模稲・麦経営モデル
[要約]
瀬戸内平坦地域
において、基幹従事者1名、補助従事者2名の
個別経営体
を想定した場合、普通期の
水稲稚苗移植
+
裸麦
作体系の
作付限界
を
線形計画法
で求めると、水稲7.7ha、裸麦8.9haとなるが、水稲の稚苗移植栽培と
乾田直播裁培
を組み合わせると約10haまでの規模拡大が可能となる。
徳島県立農業試験場・野菜科 [連絡先]089-993-2020 [部会名]営農 [専門]経営 [対象]稲類・表類 [分類]指導
[背景・ねらい]
米の段階的輸入拡大や米販売の自由化に伴い、より低コストで高収益な経営体の育成が望まれており、特に、水稲・裸麦作のコスト低減には経営規模の拡大が必須である。
そこで、平成6~8年度に愛媛県伊予郡松前町で実施した現地実証試験の成果を踏まえて、現行の水稲稚苗移植栽培+裸麦作体系に、水稲の乾田直播栽培を導入した大規模稲・麦作の個別経営体モデルを線形計画法を用いて作成した。
なお、導入する作付体系は、水稲の稚苗移植栽培では6月中旬移植で9月下旬~10月下旬収穫、乾田直播栽培では裸麦作の施肥播種機を用いて6月上旬播種で10月中旬~下旬収穫、裸麦のドリル播き栽培は11月中旬~下旬播種で5月下旬収穫とし、モデル作成のための収量や収益性は
表1
、主な資本装備は
表2
のとおりである。
[成果の内容・特徴]
現地試験実施農家の現状である水稲稚苗移植+裸麦栽培7ha規模の年間作業時間は1,105時間、所得は7,902千円で、農繁期に補助労働力2名を投入しても裸麦の収穫と水稲の育苗~田植作業が競合する5月下旬と6月中旬には保有労働力(168時間/旬)のほぼ限界に近くなる(
表3
)。
保有労働力からみた現行の作付体系における最大規模を改善モデルとすると、水稲稚苗移植栽培+裸麦作が7.7ha、期間借地の裸麦作が1.2haの計8.9haとなり、この場合の年作業時間は1,278時間、所得は9,789千円となる(
表3
)。
現行の作付体系に水稲の乾田直播栽培を導入した新体系モデルでは、水稲の稚苗移植+裸表作が6.lha、乾田直播+裸麦作が3.7haの計9.8haまで規模拡大が可能となり、その場合の年作業時間は1,592時間、所得は12,249千円となる(
表3
)。
[成果の活用面・留意点]
瀬戸内平坦地域の大規模稲・表作農家の目標指標として利用できる。
モデルの適用にあたっては、大型機械が導入できる基盤整備された乾田であることが望ましい。また、地域の水利慣行にも考慮する必要がある。
[その他]
研究課題名:
超低コスト稲麦体系現地実証試験
子算区分:県単
研究期間:平成8年度(平成6~8年度)
研究担当者:大野高資、河内博文、杉山英治
発表論文等:なし
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