多条型簡易ニンニク植付け機

[要約]
 
本機は、高床式動力運搬車に容易に着脱可能な多条型簡易ニンニク植付け機である。植え付け後、人手による植付け姿勢や粒数の調整等の作業が必要であるが、これら手直し作業を含めても、慣行に対し約2倍の作業能率で植付け作業が行える。
香川県農業試験場・農業機械担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]作業技術
[専門]機械
[対象]その他根菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

ニンニク栽培では、10a当たり26000株、150kgの種球を手作業で植付けるが、作業中は、種球の運搬に加え、立ち・かがみの単調な作業が長時間続き作業者の負担が大きい。一方、最近、全自動型植付け機が開発されたが、植付け精度、能率等の点で問題があり普及に至っていない。そこて、植付け後の植付け姿勢や粒数の調整等を人手で行うことを前提にした簡易な植付け機を開発し、作業の能率化、省力化を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 開発したニンニク植付け機は、市販の高床式動力運搬台車に、4つの植付けユニットからなる植付け部と種球タンクを搭載した4条歩行型作業機である。運搬台車への植付け部の装着は、1本のツールバーと植付け部昇降用レバーの固定のみで行えるため、現有の運搬台車に容易に装着できる(図1)。
  2. 植付けユニットは、種球ホッバ、傾斜ベルト式種球繰出装置、転動式植穴作溝器、からなり、作溝器で成形された半球型の植穴ヘ、ベルトから繰り出された種球を自然落下させて播種を行う(図2)。ベルトは歯付タイプとし、その駆動には作溝器の回転力を利用するため、植穴ピッチと繰出ピッチを確実に一致させることができる。
  3. 作溝器により条間20cm、株間11cmで深さ3.5cm、穴径6cm程度の植穴が形成できる。また、全植穴の72%に1粒接種でき、植穴の外へ種球か落ちることはほとんどない。接種時の種球の姿勢は約8割が横向きである(表1)。
  4. 作業速度は0.35m/s程度の高速作業が可能であり、畝幅140cm、4条植えでの作業能率は1.0h/10a・人と高能卒である。また、植え付けた後、人手による植付け姿勢の調整、粒数の調整及び覆土作業が必要であるが、これらの手直し作業の能卒は15.8h/10a・人であり、手直し作業を含めても償行の人力植えに対し約2倍の作業能率である(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 種球の線出精度を安定させるには、種球重4.0~8.0g程度のものが望ましい。また、ベルト傾斜角によって欠粒率-複粒卒のバランスが変動するため(傾斜角55°では15-10%程度、45°では5-20%程度)、後の手直し作業の効卒を勘案した上でベルト角度の設定を行う。
  2. 搭載する運搬台車は、積載能力250kg以上で、直進性、旋回性に優れたものが望ましい。
  3. 植付け部をトラクタのロータリ後部に装着し、耕転、播種作業を同一行程化することにより、一層の省力化、効率化が期待できる。

 [その他]
 
研究課題名:ニンニク種球植付け機の開発
予算区分:中山間地域農業機械整備促進事業(国補)
研究期間:平成8年度(平成6~8年度)
研究担当者:西村融典、久保隆廣、山浦浩二
発表論文等:なし
 
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